診察予約
閉じるひとりで悩まずオンライン相談。オンライン相談サービスについて詳しく見る。
最終更新日:
2026-09-22

「今月こそ絶対に妊娠したい」「周りは次々に妊娠しているのに」と焦る気持ちから、必ず妊娠できる方法を探している方もいるかもしれません。妊娠は排卵や受精、着床といった複数の条件が重なって初めて成立するものであり、医学的に「これをすれば必ず妊娠できる」という方法はありません。

一方で、妊娠する確率が高まる日はあり、排卵日の2日前から当日にかけてが最も妊娠しやすいとされています。そのため、妊娠率を上げるには、この時期に合わせて性交渉をもつことが効果的です。

この記事では、妊娠しやすい時期とタイミングの取り方、自分でできる排卵日の予測方法、妊娠に向けて整えたい生活習慣について解説します。

必ず妊娠できる方法はある?1周期あたりの妊娠率

医学的に、必ず妊娠できる方法はありません。自然妊娠はもちろん、体外受精などの不妊治療を受けても必ず妊娠できるわけではなく、状況に合わせて可能性の高い方法を実施し妊娠を目指すことになります。

自然妊娠を目指す上では、生理周期の中で排卵が行われるタイミングが妊娠できる期間となりますが、1周期だけでの妊娠率は決して高くありません。

第1子の妊娠を希望する日本人のカップルを対象とした研究では、自然妊娠の確率が女性の年齢別に次のように推定されています1)。

年齢層1周期あたりの妊娠率(中央値)
24歳以下18%
25〜29歳13%
30〜34歳10%
35〜39歳6%
40歳以上1%

‍

この研究では、20代でも1周期あたりの妊娠率の中央値は10%台でした。比較的妊娠しやすい年齢であっても、妊娠までに複数の周期を要することがあります。また、妊娠のしやすさには、年齢だけでなく個人差もあります。1周期で妊娠しなかったからといって、妊娠しにくいと判断することはできません。

年齢別の自然妊娠の確率については、以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

妊娠しやすくなる方法は?妊娠率が高まるのは「排卵日2日前〜当日」

妊娠しやすくなる方法として、まず自分たちでできることは、妊娠しやすい期間に合わせて性交渉をもつことです。

妊娠しやすいのは、排卵日の2日前から当日です2)。排卵日当日だけにタイミングを合わせるのではなく、その前から性交渉をもつことで、受精の機会を逃しにくくなります。

排卵で卵巣から排出された卵子は、卵管内で精子と出会って受精します。その後、受精卵が子宮内膜に着床すると、妊娠が成立します。卵子が受精できる時間は排卵後の12〜24時間ほどと限られる一方、精子は女性の体内で通常2〜3日ほど、長い場合は5日程度生存できます。このため、排卵前に性交渉をもち、卵子が排卵されるときに精子が体内にいることが重要です。

妊娠の可能性がある期間は、排卵日の5日前から当日までとされています。1995年に海外で行われた調査では、性交渉のあった日と妊娠確率の関係が次のように報告されています3)。

排卵日からの日数性交があった周期数妊娠数妊娠確率※
-5日1218%
-4日24417%
-3日1318%
-2日281036%
-1日381334%
排卵日当日14536%

※妊娠確率は、129周期のうち、その日のみに性交があった周期における集計値(妊娠数÷周期数)
※各日数の周期数が少ないため1周期の違いで割合が大きく変わります。たとえば排卵3日前が4日前より低く見えるのはこのためで、3日前だけが妊娠しにくいことを示すものではありません。全体としては、排卵日に近づくほど妊娠確率が高まる傾向があります。

また、性交渉の頻度は毎日でなくても問題ありません。妊娠の可能性がある時期(排卵日5日前〜当日)に毎日または1日おきに性交渉をもつ場合に妊娠率が最も高いとされていますが、週2〜3回程度でも妊娠率はほとんど変わらないと報告されています2)。

排卵が予想される時期に、2人が無理なく続けられる頻度でタイミングを取りましょう。

ただし、タイミングを合わせた性交渉をもった場合でもなかなか妊娠できないこともあります。例えば、卵管や子宮の状態に何か問題がある場合や、男性側に何らかの問題があるケースが該当します。このような場合は、不妊の検査や治療も選択肢として考え、一定期間妊娠ができない場合は医療機関に相談することも検討しましょう。

医療機関に相談するタイミングの具体的な例は、後述する「Q:ずっと妊娠しない場合はどうすればいいですか?」で詳しく解説しています。

妊娠しやすい時期を把握する方法

妊娠しやすい時期は前述のとおり排卵日の数日前から当日までであるため、妊娠しやすい時期を把握するには排卵日を予測することが重要です。

排卵日を予測する方法として、まずは生理予定日から逆算する方法があります。排卵日は生理開始日の約14日前とされているため、次回の生理予定日から14日を引いた日付が排卵日の目安となります。ただし、この計算は生理周期が整っていることが条件となるほか、実際の排卵日は体調などによっても左右されるため、あくまで目安といえます。

ほかにも排卵日を予測する方法として以下のものが挙げられます。

  • 基礎体温を測る
  • 排卵検査薬を使う
  • おりものの変化を観察する

ただし、いずれの方法も排卵日を確実に特定できるものではありません。1つの方法だけで判断せず、複数の方法を組み合わせて排卵の時期を予測するとよいでしょう。

基礎体温を測る

基礎体温の記録は、排卵の有無やおおよその時期を推測する手がかりになります。基礎体温とは、起床直後の体を動かす前に測る体温のことです。排卵後に分泌されるプロゲステロンの働きによって、低温期から高温期へと移ります。

測定するときは、目覚めて布団から出る前に、婦人体温計を舌の下のつけ根にあてます。まずは2〜3周期を目安に記録を続け、体温の変化や自分の周期のリズムを確認しましょう。

ただし、体温が上がるのは排卵後のため、基礎体温だけで事前に排卵日を特定することはできません。排卵検査薬などと組み合わせて、妊娠しやすい時期を考える目安として活用しましょう。

基礎体温については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

排卵検査薬を使う

排卵検査薬を使うと、排卵が近づいている時期を予測できます。排卵前には、黄体形成ホルモン(LH)が急増する「LHサージ」が起こります。検査薬は尿中のLHの増加を捉えるもので、初めて陽性になってから約40時間以内に排卵が起こるため、陽性になった当日か翌日にタイミングを取ることがすすめられます。

使い始める時期は、一般的に次回の月経開始予定日の17日前が目安です。月経周期が不規則な場合は、過去の周期のうち最も短かった周期を基準に計算します。

ただし、陽性反応は排卵が近いことを示すサインであり、実際に排卵が起こったことを確認できるものではありません。基礎体温もあわせて記録すると、陽性になった時期と、その後の体温の変化を確認できます。

排卵検査薬については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

おりものの変化を観察する

おりものの状態も生理周期の中で性質が変わります。排卵日が近づくと女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が増えます。これにより、おりものの量が増え、さらに透明で水分を多く含み、よく伸びる状態へ変化します。

ただし、おりものの変化の観察は、基礎体温の測定や排卵検査薬の使用と異なり、個人の感覚となるため、判断が難しい場合もあります。他の予測方法と合わせて実施し、排卵日を予測する指標のひとつとして活用するようにしましょう。

排卵日のおりものの変化については、以下の記事で詳しくまとめているのであわせてご覧ください。

妊娠しやすくなるための生活習慣

妊娠に向けた体づくりでは、食事や運動、睡眠などの生活習慣を見直すことも大切です。治療の有無にかかわらず、日々の生活で無理なく取り組めることから始めましょう。ここでは、食事、運動と睡眠、体重管理と禁煙の3つに分けて解説します。

バランスのよい食事をする

妊娠に向けた食事では、特定の食品に偏らず、1日3食を基本にバランスよく食べることが大切です。主食・主菜・副菜を組み合わせ、乳製品や果物も取り入れましょう。

また、妊娠を希望する女性には、通常の食事に加えて、サプリメントなどから1日400μgの葉酸をとることがすすめられています4)。葉酸は、赤ちゃんの脳や脊髄のもとになる神経管が正常に形成されない「神経管閉鎖障害」のリスクを減らすために重要な栄養素です。野菜や豆類などからの摂取に加え、妊娠前からサプリメントなどで補いましょう。

カフェインは、コーヒーであればマグカップ2杯程度を1日の上限の目安とし、摂りすぎないようにしましょう。アルコールは妊娠前から控えることが望ましいといえます。また、妊娠がわかったら飲酒は完全に避けるようにしましょう。

適度な運動と質の良い睡眠を心がける

妊娠に向けた体調管理のためには、適度に体を動かし、十分な睡眠をとることを心がけましょう。運動や睡眠の習慣を整えることは、体重管理や健康の維持にも役立ちます。

運動は、ウォーキングなど日常生活に取り入れやすいもので構いません。激しい運動をする必要はなく、通勤や買い物で歩く時間を増やすなど、無理なく続けられる方法を選びましょう。

睡眠は、できるだけ同じ時間に起きる、夜は早めに休むなど、生活リズムを整えることから始めてください。仕事や家事で忙しい方も、休息の時間を確保できるよう、日々の過ごし方を見直してみましょう。

適正体重の維持と禁煙を心がける

体重は、BMI18.5以上25未満を目安に、無理のない範囲で管理しましょう。やせすぎや肥満は、妊娠に関わるホルモンの分泌に影響し、月経不順や排卵障害につながることがあります。極端な食事制限や急激な減量は避け、体重や月経の状態が気になる場合は、医師と相談しながら調整することが大切です。

また、喫煙している方は、妊活を始める時点で禁煙しましょう。喫煙は妊娠しにくさに加え、流産や異所性妊娠(子宮外妊娠)のリスクとも関連します。受動喫煙を避けることも意識してください。

妊娠しやすくなるために男性ができること

妊娠を目指すには、男性側も生活習慣を見直すことが大切です。多くのガイドラインで、不妊の原因の約半数には男性側の要因が関わるとされています。

不妊の原因の割合
不妊の原因の割合

‍

男性がまず取り組みたいのは禁煙です。喫煙は精子の数や運動率の低下と関連し、喫煙者の不妊リスクは非喫煙者のおよそ2倍とする報告があります5)。また、肥満は精子をつくる働きに影響するとされており、適正体重を保つことも意識したいポイントです。

このほか、長時間のサウナや熱い風呂、ノートパソコンを膝に乗せる習慣など、精巣を温めすぎないこともすすめられています。

男性の妊活については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

妊娠する方法に関してよくある質問

妊娠する方法について、よく寄せられる質問にお答えします。

Q:ずっと妊娠しない場合はどうすればいいですか?

A:避妊をせずに性交渉を続けていても妊娠しない状態が続く場合は、婦人科や不妊治療を行う医療機関に相談しましょう。

受診の目安となる妊活期間は、女性が35歳未満なら1年、35歳以上なら6か月です。40歳以上では、さらに早めの相談がすすめられます。月経不順や無月経、その他の婦人科疾患がある場合は、年齢や妊活期間にかかわらず早めに医療機関に相談してください。

妊娠の妨げになるような原因がないかを調べる不妊検査をしたのち、治療としてタイミング法や人工授精、体外受精などを、年齢や検査結果、お2人の希望に応じて進め方を検討します。

2022年4月からは以前は自費診療だった人工授精や体外受精なども保険適用の対象となっており、以前より取り組みやすい環境が整ってきています。1人で抱え込まず、まずは相談することから始めてみてください。

Q:早く妊娠したいときは何から始めればいいですか?

A:まずは月経周期を確認し、妊娠しやすい時期を意識して性交渉をもつことから始めましょう。排卵検査薬なども活用しながら、パートナーと無理なくタイミングを取れる方法を考えてみてください。

また、バランスのよい食事や適度な運動と睡眠、適正体重の維持や禁煙といった生活習慣の見直しは、自分の意思でいつからでも取り組めます。

妊活の進め方に不安がある場合は、「避妊せずに1年(35歳以上は6か月)妊娠しない」という受診の目安を待たずに、婦人科や不妊治療を行う医療機関で相談してみましょう。

Q:絶対妊娠するというジンクスに科学的な根拠はありますか?

A:ジンクスによって必ず妊娠できるという科学的な根拠はありません。妊娠は、排卵のタイミングや卵子・精子の状態など、複数の条件が重なって成立します。

気持ちの支えにすることはあっても、妊娠のために必要なことと捉える必要はありません。妊娠に向けては、排卵時期を意識した性交渉や生活習慣の見直しを続け、なかなか妊娠しない場合は医療機関への相談を検討しましょう。

院長からのメッセージ

「必ず妊娠できる方法はありませんか」と尋ねられることがあります。そう聞きたくなるほど、焦りや不安を抱えておられるのだと思います。

残念ながら、そのような方法はありません。これは自然妊娠に限った話ではなく、体外受精でも同じです。私たちができるのは、妊娠の可能性をできるだけ高める方法を選ぶことであって、結果を約束することではありません。

ただ、この事実は悲観する材料ではないと考えています。20代でも1周期あたりの妊娠率は10%台で、多くのご夫婦が何か月かかけて妊娠しています。今月うまくいかなかったからといって、何かが間違っていたとは限りません。

妊娠の可能性を高めるうえで、最も確かなのはタイミングです。排卵日の5日前から当日までが妊娠の可能性がある期間で、とくに2日前から当日が高くなります。毎日である必要はなく、週に2〜3回でも妊娠率はほとんど変わらないとされています。お二人に無理のないペースで続けてください。

そして、ある程度の期間がたっても妊娠しないときは、検査を受けることをお勧めします。卵管や精子の状態など、タイミングだけでは解決できない理由が見つかることがあります。原因がわかれば、それに合った方法を選べます。

ジンクスに頼りたくなる気持ちも自然なことです。そのうえで、根拠のある方法を一緒に選んでいきましょう。

参考文献

1)Konishi S, Kariya F, Hamasaki K, Takayasu L, Ohtsuki H. Fecundability and sterility by age: estimates using time to pregnancy data of Japanese couples trying to conceive their first child with and without fertility treatment. Int J Environ Res Public Health. 2021;18(10):5486.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34065492/

2)Practice Committee of the American Society for Reproductive Medicine and the Practice Committee of the Society for Reproductive Endocrinology and Infertility. Optimizing natural fertility: a committee opinion. Fertil Steril. 2022;117(1):53-63.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34815068/

3)Wilcox AJ, Weinberg CR, Baird DD. Timing of sexual intercourse in relation to ovulation. Effects on the probability of conception, survival of the pregnancy, and sex of the baby. N Engl J Med. 1995;333(23):1517-1521.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/7477165/

4)厚生労働省. 葉酸とサプリメント-神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果. 健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-05-002.html

5)American Society for Reproductive Medicine. Smoking and infertility (patient education fact sheet). Revised 2023.
https://www.reproductivefacts.org/news-and-publications/fact-sheets-and-infographics/smoking-and-infertility/