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最終更新日:
2026-05-17

排卵検査薬は、妊娠しやすい時期である排卵日を予測する検査薬であり、排卵日予測検査薬などとも呼ばれます。検査キットに尿をかけることで、黄体形成ホルモン(LH)を検出する検査薬です。排卵直前にLHが急激に増える現象(LHサージ)を捉えることで、排卵タイミングの予測に役立ちます。

排卵検査薬を適切に活用するためには、使用開始日や使用方法、判定の仕方を正しく理解することが大切です。

この記事では、排卵検査薬を使いはじめる日や判定方法、陽性が出た後のタイミングのとり方などについて解説します。

排卵検査薬はいつから使いはじめる?

排卵検査薬は、次回の生理予定日の17日前から使いはじめるのが一般的です1)。排卵日から次の生理開始日まではおよそ14日前後とされています。生理予定にずれが生じなければ、17日前から開始することで排卵の2~3日前から検査をすることになるため、排卵前のLHサージを捉えることが可能です。

使いはじめたら毎日検査を続け、陽性反応が出た翌日を排卵日の目安とします。使用開始が早すぎると、陽性が出る前に検査薬を使い切ってしまうことがあります。一方、遅すぎるとすでに排卵が終わっている可能性もあり注意が必要です。

このため、検査をはじめる日は排卵検査薬を活用するうえで重要なポイントです。ご自身の月経周期から適切な開始日を計算したのち使いはじめてください。

月経周期から使いはじめる日を計算する方法

排卵検査薬の使用を開始する日である「次回の生理予定日の17日前」は、計算が難しい方もいるかもしれません。まずはご自身の月経が何日間隔で起こっているか、月経周期を振り返ってみてください。

月経周期がわかったら「月経周期-17日」を計算すると、生理開始から何日目に使いはじめるとよいかがわかります(生理開始日の翌日を1日目とします)。

例えば、月経周期が30日の方であれば「30日−17日」と計算します。生理開始翌日から数えて13日目が検査薬を使いはじめる日となります。

以下の表では、いくつかの月経周期と検査薬を使いはじめる日を例として挙げています。

月経周期 排卵検査薬を使いはじめる日
(生理開始日の翌日を1日目とする)
25日周期 生理開始から8日目
28日周期 生理開始から11日目
30日周期 生理開始から13日目
35日周期 生理開始から18日目

月経周期が不規則な方は、直近2〜3周期のうちもっとも短かった周期をもとに計算してください1)。例えば月経間隔が28日や32日などばらつきがある方は、28日周期を基準として計算します。

ドゥーテストLH」や「ハイテスターH」など各商品の公式サイトには、検査開始日計算ツールが用意されています。月経周期が規則的・不規則それぞれのパターンにあわせて計算できるので、これらのツールを活用するのもよいでしょう。

計算した結果、すでに検査開始日を過ぎていた場合は、次の周期に向けて検査開始日を決めてください。

検査する回数と時間帯

検査は、1日1回または1日2回行います。決まったタイミングであれば、朝・昼・夜のいずれでも構いません。毎日同じ時間帯で実施することが大切です。

  • 1日1回で検査する場合:「朝⚪︎時」などと統一する
  • 1日2回検査をする場合:「朝⚪︎時と夕⚪︎時」などと統一する

LHサージは短時間に急激に起こるため、1日2回検査するとよりLHサージを捉えやすくなります。

決めた時間を過ぎてしまった場合、2~3時間程度の差であれば問題ありません。時間帯がずれたとしても実施し、翌日からは元の時間帯に戻して検査してください。

排卵検査薬の正しい使い方

排卵検査薬は検査キットに尿をかける、もしくは採取した尿に検査キットを浸すという使い方をする検査薬です。正しい手順で使わなければ正確な結果が得られないことがあります。注意点をよく理解し、正しい手順で検査しましょう。

検査前に確認しておくこと

測定するLH濃度は、検査前の排尿状況や摂取する水分量の影響を受ける可能性があります。より正確に検査するために、検査前は以下の点に注意してください。

  • 検査前4時間程度はできるだけ排尿しない
  • 検査前にたくさん汗をかくような運動は避ける
  • 検査前に水分を摂りすぎない

また、尿が濁っていたり異物が混ざっていたりしていれば検査に使えません。尿をよく確認してから検査薬を使用しましょう。

検査の手順と判定までの流れ

検査は基本的に以下の流れで行います。ただし、尿をかける時間や判定を待つ時間などは製品によって異なるため、使用説明書をよく読み進めてください。

手順 内容
1.採尿する 採尿部に尿を直接かけるか、乾いた清潔な容器に採尿し、
尿を浸してください。
2.水平な場所に置いて待つ 指定の時間、平らな場所に静置します。傾けた状態では
正確な結果が出ないことがあるため注意してください。
3.判定時間内にラインを確認する 判定窓に基準ラインがあらわれてから判定しましょう。
判定時間を過ぎたものは無効としてください。

検査結果が出たら、ラインの濃さを記録しておくとよいでしょう。スマートフォンで撮影すると、日ごとの変化をより比較しやすくなります。

排卵検査薬の判定の見方

検査結果は、判定ラインと基準ラインの濃さを見比べて判定します。薄い線が出たときの判断も含め、判定の仕方を確認しましょう。

陽性・陰性の判定基準

判定ラインが基準ラインよりも濃い、または同等の濃さであれば陽性と判定します。

前回まで陰性の状態からはじめて陽性になったときがLHサージが検出されたサインであり、間もなく排卵が起こるタイミングです。陽性・陰性は、以下の表をもとに判定してください。

判定 ラインの状態
陰性 ・判定ラインが基準ラインに比べて薄い
・判定ラインが出ていない
陽性 ・判定ラインが基準ラインに比べて濃い
・判定ラインが基準ラインと同等の濃さである

判定は、基準ラインが現れたことを確認してから行いましょう。基準ラインが出ていない場合、判定に用いることができず検査は無効となります。

無効となる原因として、採尿部にしみ込ませる尿が多すぎたり、反対に少なかったりすることが考えられます。検査手順に問題がないかを今一度確認し、新しいスティックで再検査してください。

使い方に不安がある場合は、購入先の薬剤師に手順を確認するのもよいでしょう。

薄い線が続く場合・陽性とならない場合

判定ラインが現れたとしても、基準ラインに比べて薄ければ陰性となります。陽性になるまで検査を続けてください。

いつまで経っても陽性とならない場合は、検査開始のタイミングがLHサージと合わなかった可能性があります。検査をはじめる日が適切だったかを振り返り、次周期に向けて検査開始日を丁寧に確認しましょう。

適切な手順で検査しているのに何周期も陰性が続く場合は、医療機関への相談も検討してください。生理周期が乱れている、LHサージが短いなどの原因が考えられます。

また、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)のある方は、LHが持続的に高い状態のため排卵検査薬の判定が複雑になることがあります。陽性が何日も続く・周期を通じてラインが濃いといった場合は、医療機関での確認をお勧めします。 

陽性が出たらいつタイミングを取る?

陽性が出たら、できるだけ早く性交のタイミングをとることが推奨されます。排卵は、はじめて陽性反応が出てから約40時間以内に起こると予測されるためです。

排卵日の1〜2日前から当日にかけて性交渉すると、妊娠の可能性が高まるといわれています。そのため、はじめて陽性になった当日やその翌日にタイミングをとるのが望ましいとされています。

妊娠しやすいタイミング
妊娠しやすいタイミング

LHは排卵後もしばらくは高く保たれるため、はじめて検査した日に陽性が出た場合は、すでに排卵が起きている可能性もあります。お二人のペースを大切にしながら、できるだけ早くタイミングをとりつつ、次周期は検査開始日を早めることをお勧めします。

妊娠しやすいタイミングについては、以下の記事もご覧ください。

排卵検査薬を使っても妊娠しない場合の受診の目安

排卵検査薬でタイミングをとり続けていても妊娠に至らない場合は、医師への相談を検討してみてください。

排卵検査薬はあくまでも排卵のトリガーとなるLHサージを検出するものであり、排卵自体を検出しているわけではないため、排卵が正常に起きているかは確認できません。

医療機関では超音波検査で卵胞の大きさを確認し、排卵が問題なく起きているかどうかを評価できます。ホルモン検査も組み合わせることで、排卵後のホルモン分泌に問題ないか、ホルモンバランス全体に異常がないかなどを把握できます。

受診の目安は、排卵検査薬を6周期程度使用しながらタイミングをとっても妊娠に至らない場合とされています1)

排卵検査薬に関するよくある質問

排卵検査薬の使い方や判定について、よくある質問に回答します。

生理不順でも排卵検査薬は使えますか?

検査自体は可能ですが、「次回生理予定日の17日前」という開始日の計算が難しいことがあります。

過去の周期のうちもっとも短かった周期を基準に、使いはじめる日を決めてみてください。ただし、使用期間が長くなる可能性もあるため買い足しが必要になることがあります。

不規則な周期が続いている場合は、無排卵やホルモンバランスの乱れなどが背景にある可能性があります。次の月経の予測がつかないほどの月経不順である場合は、一度受診を検討してみてください。

排卵検査薬で妊娠確認はできますか?

排卵検査薬で妊娠確認はできません。

排卵検査薬が検出するのは、排卵日直前に増加するLH(黄体形成ホルモン)です。一方、妊娠検査薬が検出するのは、妊娠中に分泌されるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)であり、対象となるホルモンが異なります。

排卵検査薬もhCGに反応して陽性を示すことがありますが、妊娠による反応かどうかの区別はできません。妊娠確認は妊娠検査薬を使用してください。

排卵検査薬と基礎体温は併用したほうがよいですか?

排卵日を予測したい場合は、排卵検査薬と基礎体温測定を組み合わせる方法もあります。

基礎体温は排卵後に上昇するものであり、体温だけではその周期の排卵日を予測することはできません。ただし、2〜3周期の記録を取ることで、自分の月経周期を把握する手がかりになります。

どちらも排卵日を確実に特定するものではありませんが、組み合わせて総合的に判断することで排卵日の予測に役立ちます。

排卵検査薬はどこで購入できますか?

排卵検査薬は、薬剤師の常駐する薬局・ドラッグストア、またはインターネット通販で購入できます。

排卵検査薬は第1類医薬品に分類されており、購入時には薬剤師から使用方法の説明を受ける必要があります。説明をよく聞き、使い方に不安があれば相談してください。

院長からのメッセージ

排卵検査薬は、タイミング法をサポートする便利なツールです。ただし、使い方と判定の理解なしには本来の効果が活かせません。

検査薬が陽性を示すのは「排卵が近い」サインであり、「排卵が確認された」サインではありません。陰性から陽性に変わった日から2日程度タイミングをとることが推奨されますが、排卵が実際に起きているかどうかは検査薬では判断できません。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の方は、月経周期を通じてLHが高い状態のことがあり、排卵検査薬が何日も陽性を示したり、判定が難しい状況になることがあります。このような場合は自己判断を続けるより、医療機関で超音波検査とホルモン検査を組み合わせて確認することをお勧めします。

6周期ほどタイミングをとっても妊娠に至らない場合は受診の目安とされています。ただし、年齢が35歳以上の方や、月経周期が乱れている方は、6周期を待たずに早めに相談してください。

排卵検査薬はあくまで入口です。検査薬だけでは把握できないことがあることを理解したうえで、一人で悩まず担当医に相談してください。

参考文献

1)厚生労働省. 黄体形成ホルモンキットに係る一般用検査薬ガイドラインの策定について.

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