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最終更新日:
2026-05-31

生理の時期なのに血が出ない、量がいつもより少ない、色が薄い、そんな経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか。月経の状態は体の状態を知るサインのひとつであり、気になる変化があるときは原因を理解しておくことが大切です。

生理に関する出血の異常には、無月経や過少月経などの種類があり、痩せすぎやストレス、あるいは婦人科系の病気が背景にある場合もあります。また、妊娠の可能性を念頭に置くことも必要です。

この記事では、生理の血が出ない・量が少ない・途中で止まるといった状態の原因や、受診の目安について解説します。

生理が始まったと思ったら血が出ないのは病気?出血の量が少ない、色が薄い場合など

生理の時期に血が出なかったり、血の量が少ないような場合は、無月経や過少月経といった月経の異常の可能性があります。

厚生労働省の働く女性の心とからだの応援サイトでは、正常な月経と、月経の異常を以下のようにまとめています1)

  • 正常な月経
周期 25~38日
出血期間 3~7日
経血量 20~140mL(個人差有)

  • 月経(出血状態)の異常
周期 月経不順 月経周期が不規則で次の月経の予測がつかない
頻発月経 月経周期が24日以内
稀発月経 月経周期が39日以上
無月経 3か月以上月経のない状態
出血期間 過長月経 1回の月経が8日以上続く
過短月経 1回の月経が2日以内で終わる
血量 過少月経 経血の量が非常に少ない
過多月経 経血の量が非常に多い
不正出血 月経時期以外の出血

「無月経」は3か月以上月経のない状態、「過少月経」は経血の量が非常に少ない状態を指します。

過少月経は正常な月経の下限値である20mLより少ない場合が目安となります。また、出血の量が少ないと黄色やピンク色など色の薄い血として見える場合もあります。

月経(出血状態)の異常自体が病気というわけではありませんが、中には婦人科系の病気によって引き起こされている可能性もあるため、注意が必要です。

生理が来たと思ったら止まった|途中で止まるのは?

生理が来たと思ったらすぐに止まったり、途中で止まったりすると感じるのも月経の異常のひとつである「過短月経」の場合があります。「過短月経」は出血量の異常でなく、出血期間の異常です。

正常な月経は3〜7日とされているのに対し、過短月経は1回の月経が2日以内で終わると定義されており、生理が始まったと思ってもすぐ止まったと感じる状態です。

月経の異常がある人の割合は

2018年の内閣府委託事業における男女の健康意識に関する調査報告書では、月経に関わる不調の状況についても調査が行われています。

この調査では、月経痛や月経による体調不良・精神不安なども含め、月経に関わる不調としています。調査の結果、月経に関わる不調はないと回答した人は、20〜30代の女性で18.6〜25.6%であり、7〜8割の女性は何かしらの不調を感じているという状況でした2)

また、月経不順と回答した人は20〜30代の女性で14.6〜24.8%、無月経(しばらく月経がない)と回答した人は6.6〜7.2%であり、これらの症状は必ずしも珍しくないことがうかがえます。

ただし、珍しくないからといって放置してよいわけではありません。先述のとおり、病気によって引き起こされている可能性もあるため、症状がひどかったり、長引く場合は医療機関への受診も検討しましょう。

月経の異常が起こる原因は

月経の異常が起こる原因はいくつかあり、ここでは代表的なものを挙げていきます。

痩せすぎや急激なダイエット

体脂肪率21%未満では月経不順や無月経、無排卵のリスクが上昇するとされています3)。体脂肪や体重が極端に少ない状態では、脳は身体を守ろうとして排卵や妊娠を止めるように卵巣に働きかけるため、月経の異常へとつながります。

無理なダイエットなどは避けつつ、痩せすぎではない適切な体重を心がけるようにしましょう。

ストレス

強いストレスによってもホルモンバランスの乱れから月経の異常につながる可能性があります。ストレスは月経異常のほかにも月経前症候群(PMS)の症状を重くするといった影響も知られています。

ストレスの原因がわかっている場合はその要素を避けたり、ストレスに触れる時間を少なくすることが月経異常の改善につながる可能性があります。

病気によるもの

月経異常の原因となる代表的な病気として以下のものが挙げられます。

  • 子宮筋腫:子宮の筋層にできる良性の腫瘍です。月経の異常のほか、不妊の原因になることもあります。
  • 子宮内膜症:子宮内膜に似た組織が子宮外にできてしまう疾患です。20〜40代の女性に多いとされ、こちらも不妊の原因になります。
  • 卵巣嚢腫:卵巣にできる腫瘍で多くは良性のものですが、一部は悪性化するものもあります。卵巣嚢腫の種類によっても症状が異なることがあります。

上記の病気のほか、多嚢胞性卵巣症候群も、稀発月経など月経異常の原因になる病気です。不妊の原因となることもあり、妊娠を考えている場合は対処をしておきたい疾患です。

年齢によるもの

月経の状態は年齢によっても変化があります。

40代では更年期の症状である可能性もあります。更年期は、閉経を迎えるまでの前後5年の期間のことであり、月経の周期や経血の量も不規則になりがちです。更年期では徐々に生理の周期が長くなり、最後の生理から1年間出血がなければ閉経となります。

一方、30代では通常は更年期には当てはまりません。メディアなどでプレ更年期という用語もありますが医学的な状態ではありません。30代で月経の異常がある場合、まずは他の原因や病気による可能性を疑うことになります。

妊娠の可能性も考慮

生理がこない場合は、心当たりが全くない場合を除き妊娠の可能性も考慮する必要があります。生理のような出血が少しだけあったという場合でも、妊娠の可能性が否定できない場合があります。着床の際に少量の出血が起こることがあり、生理の経血と見分けがつきにくい場合があるためです。

妊娠の有無を確認したい場合、市販で購入できる妊娠検査薬を使いましょう。生理予定日の1週間後程度の時期に尿をかけるだけで判定が可能です。もし陽性が出た場合は、医療機関を受診するようにしましょう。

妊娠検査薬の使い方については以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

対処法と受診の目安

生理で血が出ない、出血の量が少ないといった月経異常の場合、原因や症状に応じた対処が重要です。

原因が痩せすぎや急激なダイエットといった場合、まずは標準的な体重を目指すことになります。厚生労働省の働く女性の心とからだの応援サイトでは、体型タイプ別の食生活の対策(アドバイス)もまとめており、参考にしたい情報です。(参考:働く女性の心とからだの応援サイト 体型について。やせすぎ、太りすぎのリスクと対策

ストレスが原因として考えられる場合は、そのストレスに対する対処を考える必要があります。例えば職場環境にストレスを感じている場合は、上司や産業保健スタッフへの相談などがあります。パワーハラスメントなどであれば公的機関の相談窓口も選択肢となります。まずは、どのような点でストレスを感じているかを整理することから始め、自分で対応しきれないストレスに対しては、周囲の人たちの力を借りて解決の糸口を見出すようにしましょう。

医療機関への受診の目安は?

月経異常の原因が、病気によるものの場合は、早期の受診が推奨されます。放置することで不妊症の原因になる可能性や、中には初期のがんなどが潜んでいる可能性などもあるため、まずは受診してみると安心にもつながります。

とくに月経の異常以外にも症状があるような場合は病気が潜んでいる可能性があるため、受診の目安となります。

例えば子宮筋腫では月経の異常のほか、貧血や頻尿、腰痛等の症状がみられることがあります。子宮内膜症では、骨盤痛や性交痛、排便痛などがあります。

痩せすぎやストレスなど、原因が病気によるものでないと考えられる場合でも、症状が続く場合は受診を検討しましょう。例えば、3か月以上生理がない場合は「続発性無月経」とされ、受診が推奨されます。もちろん3か月待つ必要があるわけでもないため、気になる症状がある場合は、短い期間でも受診を心がけましょう。

生理と出血に関してよくある質問

生理と出血に関してよくある質問をまとめました。

生理予定日前後の少量の出血は、生理が来ないことに関係ある?

生理予定日前後に少量の出血があった場合は、先述のとおり着床出血の可能性があり、妊娠している可能性もあります。着床出血は生理予定日の数日前〜予定日頃の時期に、通常の月経よりも軽い出血がみられる傾向があります。

一方で排卵出血などの不正出血の可能性もあり、出血の時期や量だけでは判断はできません。妊娠の可能性を否定できない場合は、妊娠検査薬で確認することも検討しましょう。妊娠の可能性がない場合は、短期間は様子をみる選択肢もありますが、生理が来ない状態が続く場合は医療機関へ受診しましょう。

生理の量が少ないと妊娠しにくいのは本当?

生理の出血の量と妊娠のしやすさは必ずしも関係はありません。ただし、生理の出血の量が少ない原因が病気によるものであったり、排卵の状態と関係がある場合は、妊娠しにくい状態になっている可能性があります。

出血の量が極端に少なかったり多いと感じる場合や、他にも症状がみられる場合は、一度医療機関へ受診しておくとよいでしょう。

将来の妊娠・出産を見据えて、体の状態を確認する検査としてブライダルチェックがあります。妊娠に備えて体の状態を調べておきたい場合は受けてみることも検討しましょう。

ブライダルチェックの内容については以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

生理1日目だけ量が少ないのは異常?

生理の経血量は個人差もあり、1日目だけ少なくても異常とは限りません。また、医学的な文献では経血量が多い最初の日を1日目とするという考え方もあり4)、極端に量が少ない場合はそもそも1日目とカウントされない場合があります。

ただし、経血量が日によって極端に変わったり、周期によってもバラバラとなる場合は医療機関に相談しておくと安心です。

生理の血の色が茶色なのは大丈夫?

月経の色は時間が経つと茶色くなることもあり、茶色だからといって異常とは限りません。様子をみて一時的なものであれば過度な心配は必要ないでしょう。

しかし、以前と異なる色が長く継続したり、他の症状も伴うような場合は、病気による影響の可能性もあるため、受診するようにしましょう。

院長からのメッセージ

生理の量が急に減ったり、血が出なかったりすると、「何か悪い病気なのでは」と不安になりますよね。SNSでは「必ず異常あり」「病院へ急いで」といった情報も目に入りやすく、怖くなってしまう方もいると思います。

実際には、月経の変化の原因は多様で、疲れやストレス、体重の変化によって一時的に起こることもあります。一方で、子宮や卵巣の病気が背景にある場合もあり、「どちらか」は検査をしないとわかりません。

特に受診をお勧めしたいのは、「変化が続いている」「他にも気になる症状がある」「3か月以上生理がない」という場合です。放置しても自然に戻ることもありますが、原因によっては早めに対処した方が不妊の予防につながることもあります。

生理の量と妊娠のしやすさは直接的には関係しませんが、月経の異常の背景にある原因によっては妊娠に影響することがあります。将来妊娠を希望されている方は、月経の変化を「たいしたことない」と流さず、一度状態を確認しておくことをお勧めします。

参考文献

1)厚生労働省 働く女性の心とからだの応援サイト. 月経について

2)内閣府男女共同参画局. 男女の健康意識に関する調査報告書

3)厚生労働省 働く女性の心とからだの応援サイト. 体型について。やせすぎ、太りすぎのリスクと対策

4)Thiyagarajan DK, Basit H, Jeanmonod R. Physiology, Menstrual Cycle. In: StatPearls [Internet]. StatPearls Publishing; 2026. Updated September 27, 2024. 

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