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最終更新日:
2026-06-03

妊娠6週で心拍が確認できないと病院で言われてしまうと「うまくいっていないのでは」と不安になってしまいますよね。胎児の心拍は早ければ目安として妊娠5〜6週ごろから超音波検査で確認できますが、排卵日のずれや受診時期によっては、6週前後でも確認できない場合もあります。

この記事では、妊娠6週で心拍が確認できない確率や原因、流産との関連について解説します。

妊娠6週で心拍確認ができない確率

妊娠6週では心拍確認ができることが多い一方で、中には正常な妊娠が継続していても確認できないケースもあります。

妊娠6週で心拍確認ができない厳密な確率を調査した研究は多くはありませんが、いくつかの報告の例を挙げます。

1990年のドイツにおける研究では、妊娠6週の時点で心拍が確認できた割合は約89%(56/63例)と報告されています1)。また、2023年のアメリカの研究者による学会発表では、56人の患者のうち約80%の患者で約6週目に、約99%の患者で7週目までに胎児の心拍が確認できたとしています2)

いずれの報告も、必ずしも規模が大きい研究ではありませんが、6週の時点では80〜90%が確認できるという結果になっています。

このような結果から、6週の時点で心拍が確認できる確率は高いものの、一定数は確認できないケースがあるといえます。そのため、妊娠6週で確認できなくても、すぐに異常と判断されるわけではありません。まずは医師が状態を判断し、次回の診察の際に改めて確認することになるのが一般的な対処法となります。

そもそも胎児の心拍確認はいつからできる?

赤ちゃんの心拍は、早ければ妊娠5〜6週ごろから確認できるようになります。超音波検査では、まず妊娠4週後半〜5週ごろに胎嚢や卵黄嚢と呼ばれるリング状の構造が見えはじめ、早ければ5〜6週前後で胎芽(赤ちゃんのもと)が確認できるようになります。その後、胎芽の中の小さな動きとして心臓の拍動を確認します。

ただし、排卵日のずれや赤ちゃんの発育スピードにも差があるため、必ず上記の週数で成長するわけではありません。

先述した1990年のドイツにおける研究では、心拍確認ができた週数は4週が0%、5週が19%、6週が89%、7週以降が100%としており1)、一定の個人差があることがわかる結果になっています。

妊娠6週で心拍確認できないときに考えられる原因

妊娠6週で心拍が見えないと不安になりますが、その原因はさまざまです。ここでは、考えられる主な原因について解説します。

検査の時期が早い

妊娠6週で心拍が確認できない場合、受診のタイミングが早かった可能性があります。

胎児心拍は早ければ妊娠5〜6週ごろから確認できるようになりますが、6週に入って間もない時期では、順調に育っていても超音波画像にまだ映らない可能性があります。

妊娠週数のずれ

タイミング療法で排卵日を特定していない場合、妊娠週数は最終月経の初日を0週0日として数えるため、排卵が遅れていた場合、カレンダー上は妊娠6週でも、超音波で見える胎芽の発育は5週相当にとどまっているケースも珍しくありません。

心拍が確認できなかった場合でも、1回の検査だけで判断せず、日をあけて再検査を行い、胎芽の発育や心拍の有無を確認しながら慎重に判断していきます。

稽留流産の可能性

妊娠6週で心拍が見えない場合は、残念ながら稽留流産の可能性もあります。

稽留流産とは、出血や腹痛といった自覚症状が出ないまま、超音波検査で胎芽の発育停止が判明する状態をいいます。

日本産婦人科医会では、稽留流産と1回の検査で診断できる目安は、胎芽の大きさ(CRL)が20mm以上、発育週数で8週相当に達しているにもかかわらず、心拍が確認できない場合としています3)

そのため、6週相当で心拍が映らなかったからといって、すぐに流産と決まるわけではありません。診断には胎芽の発育を確認するための期間が必要となるため、不安な気持ちはあっても落ち着いて経過を見守ることが大切です。

稽留流産の詳細については、以下のページでも解説しているのであわせてご覧ください。

胎児の心拍が確認できない場合の兆候はある?

胎児の心拍が確認できない状態であることを、母体側で把握するのは難しいです。仮に稽留流産になってしまう場合でも一般的に兆候のようなものはなく、胎児の心拍がないということを把握できるケースはほぼありません。

妊娠初期症状と思われた吐き気や胸の張りといった症状が急になくなったりした場合でも、それが妊娠の終了と必ず相関性があるわけではありません。また、正常な妊娠であっても妊娠初期に出血や腹痛の症状がみられる場合があり、胎児への影響によるものとは判断できません。

一方で、出血量が多い場合や強い腹痛、症状が長期で続く場合は流産や切迫流産、異所性妊娠などが隠れている可能性も否定できません。気になる症状があれば、医療機関へ相談しましょう。

妊娠6週で心拍確認ができない場合の流産率

前述のとおり、妊娠6週で心拍が見えなくてもその時点で流産と決まるわけではありません。

妊娠6週で心拍確認ができない場合にどのくらいの割合で流産となるかを厳密に調べた調査はあまりありませんが、海外の研究で妊娠5~12週の女性1,080人を、妊娠16週まで流産の有無を調べた調査があります。

この調査では、切迫流産の症状があった場合が対象となり、5〜12週時点で心拍確認ができていない女性は151人、そのうち62人(約41%)は妊娠が継続、89人(約59%)が流産をしたという結果でした4)

この調査の前提は5〜12週時点で心拍確認ができていないケースであり、6週時点で確認できていない患者に限った場合の結果は記載がありませんが、その後に妊娠が継続する可能性は十分にあるといえます。

胎児や心拍確認に関するよくある質問

胎児や心拍確認に関するよくある質問について回答します。

妊娠6週でそもそも胎芽が見えないことはある?

妊娠6週に近い時期であっても、超音波検査で胎芽がまだ映らない場合はあります。

妊娠4週後半〜5週ごろは、胎嚢の中にリング状の卵黄嚢が見えはじめる段階で、胎芽はまだ確認できないこともあります。胎芽が映りはじめ心拍も確認できるようになる目安は、早くて妊娠5週からですが、妊娠6週に入って間もないタイミングや、排卵日のずれで実際の週数が想定より浅い場合は、胎芽がまだ見えないケースもあります。

最終月経から計算した週数には誤差が出ることがあるため、焦らず医師の指示に従って次回の検診で経過を確認することが大切です。

妊娠7週で心拍確認できない場合は流産の確率が高い?

妊娠7週で心拍確認できない場合は、6週で心拍確認ができない場合よりも流産の可能性は高まります。

ただし、7週時点であっても直ちに判断できないケースもあるため、医師から再診の指示があればそれに従うようにしましょう。

先述のとおり、判断基準のひとつとして日本産婦人科医会が公表している1回の検査で診断できる目安では、胎芽の大きさ(CRL)が20mm以上、発育週数で8週相当に達しているにもかかわらず、心拍が確認できない場合に稽留流産と診断するとしています3)

心拍確認後でも流産する確率は?

心拍確認後でも流産する可能性はありますが、心拍確認できない状況よりも流産の確率は低くなる傾向があります。心拍確認ができた妊婦を対象とした2008年のオーストラリアにおける調査では、以下のような結果が報告されています5)

週数 流産率
6週 9.4%
7週 4.2%
8週 1.5%
9週 0.5%
10週 0.7%

心拍確認ができれば6週の時点でも流産率は10%以下であり、8週目以降はさらに低下していることがわかります。

院長からのメッセージ

病院を受診して妊娠6週で心拍が確認できなかったと言われると、頭が真っ白になる方も多いと思います。「もうだめなのか」とその場で結論を出してしまいたくなる気持ち、よくわかります。

ただ、6週という時期は、心拍が確認できる・できないのちょうど境界線上にあります。排卵日が数日ずれていただけで、超音波上の週数と実際の胎芽の発育がずれることはよくあることです。1回の検査だけで結論を出すことはなく、数日から1週間後に再度確認するというのが標準的な対応です。

稽留流産かどうかの確定診断には、胎芽がある程度の大きさになるまで待つ必要があります。これは「見守る」という意味ではなく、誤診を防ぐための医学的に必要なプロセスです。次の受診まで不安な時間が続くことは承知していますが、その期間に過ごし方で何かが変わるわけではありません。できるだけ普段どおりに過ごしてください。

心拍が確認できた後も、週数が進むとともに流産の確率は下がっていきます。一つのハードルを越えるたびに、少しずつ安心していきましょう。

参考文献

1)Federatie Medisch Specialisten.Diagnosticeren van een Miskraam.​​24-07-2020

2)Nayak S. EP01.34: The importance of noting the timing of heartbeat in embryo by current standards of transvaginal sonogram Doppler and error in doing so. Ultrasound in Obstetrics & Gynecology. 2023;62(Suppl. 1):101.

3)日本産婦人科医会.8.稽留流産の診断.日本産婦人科医会ウェブサイト

4)Ku CW, Tan YB, Tan MMT, et al. A risk prediction model of spontaneous miscarriage in women with threatened miscarriage: a prospective cohort study. Front Med (Lausanne). 2025;12:1669594. Published 2025 Nov 11.

5)Tong S, Kaur A, Walker SP, Bryant V, Onwude JL, Permezel M. Miscarriage risk for asymptomatic women after a normal first-trimester prenatal visit. Obstet Gynecol. 2008 Mar;111(3):710-4.

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