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最終更新日:
2026-10-05

卵管造影検査を受ける際、「費用はいくらかかるのだろうか」「健康保険は使えるか」と不安に思う方もいるでしょう。

卵管造影検査は、子宮口から造影剤を注入し、子宮腔、卵管、腹腔内へと造影剤が広がっていく様子をX線で撮影し、子宮内の異常や卵管の通過性などについて調べる検査です。保険適用の場合と自費となる場合はかかる費用も異なります。

この記事では、卵管造影検査の費用に影響する条件や、保険適用・自費診療それぞれの費用の目安、自治体の助成金制度、検査そのもの以外にかかる費用などについて解説します。

卵管造影検査はいくら?保険適用の条件と費用の目安

卵管造影検査にかかる費用は、保険適用になるかどうかで大きく変わります。保険適用になるのは、医師が診療上必要と判断して行う場合です。例えば、不妊症が疑われ、診断のためであったり、原因を調べるために必要な検査だと医師が判断すれば、保険適用になります。

一方、健康診断の一環で実施する場合や、症状や所見がない状態で本人の希望に基づいて実施する場合は、原則として保険適用外(自費診療)になります。ここでは、それぞれの費用の目安を紹介します。

保険適用の場合

保険適用で卵管造影検査を受ける際の検査のみの費用として、油性造影剤を使う場合は自己負担3割で約8,000〜12,000円が目安です。

水性造影剤の場合は一般的にこれよりも少し安価になりますが、油性造影剤では検査後の妊娠率が水性よりも高いという報告があります1)。当院(ORINAS ART CLINIC)では油性造影剤・水性造影剤を検査を受ける方の状態に応じて適切に使いわけています。

上記の金額に加えて、実際には初診料・再診料や、同日に受ける超音波検査・血液検査、検査後に処方される薬などがあれば、その分の費用が加わるため、実際の支払額は医療機関や検査内容によって変わります。

※2026年9月時点の保険点数と薬価に基づく計算となります。

保険適用外(自費診療)の場合

保険適用外(自費診療)で受ける場合の費用は、医療機関によって大きく異なりますが、油性造影剤を使用する場合は、28,000〜36,000円程度が目安です。当院(ORINAS ART CLINIC)では、子宮卵管造影検査30,000円(税込)とバルーンカテーテル4,000円(税込)が検査費用となります。

※2026年9月時点での金額です。診察料等が別途かかります。

先述のとおり、卵管造影検査は、検査後に妊娠率が上がるという報告があり、特に油性造影剤を使った場合に、18〜39歳で卵管の病変のリスクが低い方で妊娠率が高かったという研究があります1)。一方、年齢が高めの方や排卵障害・卵管の病変が疑われる方では、油性と水性で明らかな差がみられなかったという報告もあり2)、すべての方に同じ効果が期待できるわけではありません。

特に自費で実施する場合にはメリットとデメリットを含め、医師と十分に相談した上で検討するようにしましょう。

卵管造影検査の費用に使える助成金制度

自治体によっては、不妊症の検査・治療にかかる費用の一部を助成する制度があります。

例えば東京都では、卵管造影検査を含む不妊検査の費用について助成金を受け取れる「不妊検査等助成事業」があります。これは、保険医療機関で行った不妊検査や一般不妊治療にかかった費用について、夫婦1組につき1回、上限5万円の助成を受けられる制度です3)。検査開始日に妻の年齢が40歳未満であること、夫婦ともに対象となる検査を受けていることなどが条件となります。

ただし、東京都福祉局のホームページには、将来の妊娠に向けてヘルスチェックを行いたい、といった検診目的で受けた検査などは対象にならない旨が記載されています3)。

東京都の不妊検査等助成事業の詳細および最新情報については、東京都福祉局のホームページを確認してください。

なお、東京都以外にも不妊検査や治療の助成制度を設けている自治体があります。助成の対象や条件、内容などは自治体によって異なるため、お住まいの自治体の制度を確認してみましょう。

東京都を中心とした近隣県の不妊治療の助成金制度については、以下の記事にて詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

卵管造影検査そのもの以外にかかる費用

卵管造影検査では、検査料のほかにも以下のような費用がかかることがあります。

初診料・再診料 診察にかかる費用
血液検査 梅毒やB型・C型肝炎、HIVなどの感染症検査や、不妊の原因となりうるクラミジア感染の有無を調べる検査。クラミジア陽性が判明した場合は、卵管造影検査の前に治療を行うため、その分の費用も別途かかる
翌日のX線撮影 医療機関によっては検査翌日に腹部のX線撮影を行い、その分の費用がかかる
検査後の処方薬 感染予防のため、数日分の抗生物質が処方される場合がある

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これらの費用は、検査前の血液検査の要否や、検査後に薬が処方されるかなどによって変わります。総額を知りたい場合は、検査料とあわせて医療機関にご確認ください。

卵管造影検査や費用に関するよくある質問

ここでは、卵管造影検査や費用に関するよくある質問へ回答します。

Q:卵管造影検査とはどのような検査ですか?

A:卵管造影検査は、精子と卵子が出会うための卵管が通っているか、着床する場所である子宮に奇形や癒着がないかなどを調べる検査です。カテーテルから子宮内に造影剤を注入し、造影剤が卵管を通って広がる様子をX線で撮影します。

卵管造影検査は、検査後に妊娠率が高まるという報告があります1)。これは、造影剤が卵管を通ることで軽い詰まりや癒着が押し流される「フラッシング効果」が理由の一つと考えられています。

一方で、卵管造影検査には痛みを伴うことがあります。当院(ORINAS ART CLINIC)では、痛みに敏感な方や不安が強い方に、検査前に鎮痛剤を使用していただくことも可能です。

子宮卵管造影検査の基本的な内容については、以下のページをご覧ください。

Q:卵管造影検査で民間の医療保険から給付金はおりますか?

A:民間の医療保険から給付金がおりるかどうかは、加入している保険や契約内容によって異なります。

民間の医療保険の給付金には、主に入院日数に応じて支払われる入院給付金と、所定の手術を受けたときの手術給付金があります。卵管造影検査は入院せずに受けられる検査で、治療を目的とした手術でもないため、これらの給付金は基本的に対象になりません。

ただし、給付の条件は加入している保険によって詳細は異なりますので、厳密に確認したい場合は保険会社や約款でご確認ください。

Q:卵管造影検査前に避妊が必要なのはなぜですか?

A:妊娠している状態で検査を受けると、受精卵に影響が及ぶおそれがあるためです。卵管造影検査では、造影剤を注入する際に受精卵が腹腔内へ押し流され、流産や異所性妊娠の原因になる可能性があります。

また、妊娠中はX線による被曝も避けなければなりません。卵管造影検査は月経が終わってから排卵前までの時期に行うため、月経が始まってから検査が終わるまでは避妊が必要です。

Q:卵管造影検査の代わりに卵管通水検査を受ける場合は保険適用になりますか?

A:保険適用の条件は基本的に卵管造影検査と同様です。症状がある場合や不妊症が疑われる場合など、医師が必要と判断して検査を行う場合は保険適用になります。一方、健診の一環など、症状や所見がなくご自身の希望で受ける場合は、原則として保険適用外(自費診療)です。

卵管通水検査は、子宮に注入した生理食塩水などの検査液の流れをもとに、卵管の通りを確認する検査です。ヨードアレルギーや甲状腺疾患をお持ちの方など、造影剤を使う卵管造影検査が受けられない場合に、代替として行われることがあります。

院長からのメッセージ

卵管造影検査の費用について、外来でもよくご質問をいただきます。不妊症の検査として医師が必要と判断して行う場合は保険が適用され、検査そのものの自己負担は1万円前後が目安です。保険で受ける場合、費用の大部分を占めるのは造影剤の代金です。

油性造影剤での子宮卵管造影検査後は妊娠率が高まるという報告があります。ただし、この効果がはっきり確認されているのは、18〜39歳で排卵があり、卵管の病気の可能性が低い方です。年齢が高めの方や排卵障害のある方、卵管の病気が疑われる方では、油性と水性ではっきりした差がみられなかったという研究もあります。当院では、こうした背景を踏まえて、お一人おひとりに合った造影剤を選んでいます。

東京都にお住まいの方は、不妊検査等助成事業を利用できる場合があります。上限は5万円で、検査開始日に妻が40歳未満であること、夫婦ともに検査を受けることが条件です。ご主人の精液検査も対象になりますので、検査を始める前に条件を確認しておくと、負担を軽くできる可能性があります。

卵管造影検査は、卵管や子宮の状態を調べる代表的な検査です。その結果によって、タイミング法や人工授精を続けるのか、体外受精を考えるのかといった、その後の方針が大きく変わることがあります。費用だけで判断せず、検査を受ける意味も含めて、遠慮なくご相談ください。

参考文献

1)Dreyer K, van Rijswijk J, Mijatovic V, et al. Oil-Based or Water-Based Contrast for Hysterosalpingography in Infertile Women. N Engl J Med. 2017;376(21):2043-2052.
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1612337

2)Huijser J, Zhu Q, Kamphuis D, et al. O-197 Oil-based versus water-based contrast media for hysterosalpingography in infertile women with advanced age, ovulation disorders or high risk of tubal pathology: a randomised controlled trial. Hum Reprod. 2025;40(Supplement_1):deaf097.197.
https://academic.oup.com/humrep/article/40/Supplement_1/deaf097.197/8170418

3)東京都福祉局 不妊検査等助成「不妊検査等助成事業の概要」.東京都福祉局ウェブサイト.
https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/shussan/funinkensa/gaiyou