東京都で不妊検査や不妊治療を受ける場合、「助成金はいくら受け取れるのか」「5万円と15万円の制度は何が違うのか」「申請したらいつ振り込まれるのか」などが気になる方もいるのではないでしょうか。
東京都には、不妊検査や一般不妊治療を対象とした「東京都不妊検査等助成事業」と、体外受精や顕微授精などを対象とした「東京都不妊治療費助成事業」があります。どちらも不妊治療に関する助成制度ですが、対象となる治療や助成金額、申請期限などが異なります。
この記事では、東京都の不妊治療に関する2つの助成制度について、対象となる治療や助成金額、申請方法、振り込まれる時期の目安などを解説します。
なお、本記事の内容は2026年6月時点の内容です。助成金の申請をする場合は、最新情報も確認した上で実施してください。
東京都の不妊検査・不妊治療で助成金5万円が受け取れる制度|不妊検査等助成事業
東京都の不妊検査や不妊治療で上限5万円の助成金がもらえる制度は、東京都不妊検査等助成事業です1)。
東京都不妊検査等助成事業の特徴として、不妊検査と不妊治療のどちらも対象となりますが、不妊治療の中では一般不妊治療に分類されるものが対象です。
一般不妊治療とは、タイミング法や人工授精が含まれます。一方で、体外受精や顕微授精などは生殖補助医療に分類され、東京都不妊検査等助成事業の対象にはならず、次に紹介する東京都不妊治療費助成事業の対象となります。
東京都不妊検査等助成事業の基本的な内容は以下のとおりです。
対象者の要件として、注意点がいくつかあります。まず、前提として検査開始日から申請日までに法律婚又は事実婚の関係にある夫婦である必要があります。
年齢の注意点として、検査開始日における妻の年齢が40歳未満である必要があります。検査開始日は夫婦のいずれか早い日が基準となります。
また、助成対象期間内に夫婦ともに助成対象の検査を受けている必要があり、夫婦のいずれかのみが検査を受けるだけでは助成の対象になりません。必ずしも同じ医療機関である必要はありませんが、夫婦二人ともが検査を受ける必要がある点に注意しましょう。なお、人工授精などの一般不妊治療のみの場合も対象とならず、必ずいずれかの不妊検査を受けている必要があります。
参考ページ:東京都福祉局 不妊検査等助成事業の概要
東京都の体外受精などの不妊治療で助成金15万円が受け取れる制度|東京都不妊治療費助成事業
体外受精や顕微授精など、生殖補助医療での不妊治療で上限15万円の助成金がもらえる東京都の制度は、東京都不妊治療費助成事業です2)。
従来は体外受精や顕微授精などと併せて実施された先進医療のみが助成の対象でしたが、2026年4月以降に実施された不妊治療では、体外受精や顕微授精などの生殖補助医療そのものに対しても助成の対象となりました。
ただし、対象になるのは保険診療の体外受精及び顕微授精と、保険診療に併用して実施した先進医療です。自費診療での体外受精及び顕微授精は対象になりません。
東京都不妊治療費助成事業の基本的な内容は以下のとおりです。
対象者の要件として、法律婚又は事実婚の関係にある夫婦である必要があります。また、保険診療で治療を受けているほか、先進医療の助成を受ける場合は厚生労働省からの指定を受けている登録医療機関で受診している必要があります。
年齢については、助成対象となる治療の開始日に妻の年齢が43歳未満である必要があります。
参考ページ:東京都福祉局 不妊治療費助成事業の概要
東京都の不妊治療における2つの助成金の違いをわかりやすく解説
ここまでに紹介した東京都の2つの助成金制度の一番の違いは、助成対象となる治療の範囲です。
検査から一般不妊治療(タイミング法や人工授精など)までは不妊検査等助成事業、より高度な生殖補助医療(体外受精や顕微授精など)は不妊治療費助成事業が対象となります。
このような違いから、5万円と15万円の助成金を同じ治療に対して重複して受けられるわけではありません。どちらが対象になるか確認した上で申請する必要があります。
2つの助成金制度の主な違いは以下のとおりです。
助成金額は5万円と15万円で違うほか、助成回数も不妊検査等助成事業は夫婦で1回のみであるのに対し、不妊治療費助成事業は妻の年齢が40歳未満であれば6回まで、40〜42歳は3回までと複数回の助成を受けることができます。
対象になる年齢に関しては、不妊検査等助成事業は妻の年齢が40歳未満であるのに対し、不妊治療費助成事業では43歳未満という違いもあります。
東京都の不妊治療における助成制度の申請について|具体的なやり方
不妊検査等助成の申請では、原則として電子申請となります。東京都の公式サイトから「LoGoフォーム」という電子申請サービスでアカウントを作成し、ログインした上で申請します。
申請には「不妊検査等助成事業受診等証明書」、「住民票の写し」、「戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)」という3種類の書類が必要になるため準備をした上で申請しましょう。申請の期限は夫婦いずれか早い日の検査開始日から2年以内となります。
不妊治療費助成は、2026年4月以降に実施された不妊治療を対象とする場合、申請受付開始は2026年10月1日以降となります。詳細は2026年6月時点では公開されておらず、後日東京都福祉局のHPでお知らせされる旨が記載されています。
不妊検査等助成事業受診等証明書はどこでもらえる?
不妊検査等助成の申請で必要となる「不妊検査等助成事業受診等証明書」は医療機関で発行してもらう必要があります。助成制度を活用する意思がある場合は、早めに相談しておくようにしましょう。証明書の発行には料金がかかるのが一般的です。料金は医療機関によって異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
なお、夫婦で別々の医療機関で不妊検査を受けた場合、両方の医療機関での証明書が必要になるため注意が必要です。
不妊治療助成金はいつ振り込まれる?
不妊検査等助成事業では、申請の受理日から約2〜3か月で承認決定通知書が送付され、通知から約1か月後に指定口座に振り込まれます。したがって、申請から振り込みまでは合計で約3〜4か月はかかるといえます。
一方、不妊治療費助成事業では承認決定通知書が約4か月、通知から約1か月後に指定口座に振り込まれるとされているため、合計で約5か月程度かかることになります。さらに、2026年10月開始予定の新制度では申請件数により変動する可能性があります。最新情報は東京都福祉局の公式ページでご確認ください。
院長からのメッセージ
助成制度はとても大切な情報ですが、名称が似ていて混乱されている方が多い印象です。簡単に整理すると、「検査やタイミング法・人工授精」なら5万円の制度、「体外受精・顕微授精」なら15万円の制度が対象です。なお、同じ治療で両方を受け取ることはできません。
よくご質問いただくのは「自分はどちらの対象になりますか」という点です。当院ではお受けいただいている治療内容と年齢に応じて、どちらの制度が使えそうかをご案内しています。制度の対象かどうかわからない場合は、遠慮なく確認してください。
申請には医療機関が発行する証明書が必要です。特に不妊検査等助成事業では夫婦ともに検査を受けていることが条件になりますが、この点を後から知って「先に言ってほしかった」とおっしゃる方もいます。助成制度を使う意思がある場合は、早めにお申し出いただけると対応しやすいです。証明書の記載自体は検査・治療が一通り終わった段階で行います。
体外受精・顕微授精を対象とした15万円の助成については、2026年10月から申請が始まる予定です。詳細が公開され次第、こちらのページでもご案内します。制度を活用して治療費の負担を少しでも軽減できるよう、一緒に確認していきましょう。
参考文献
1)東京都福祉局. 不妊検査等助成事業の概要. 東京都福祉局ウェブサイト
https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/shussan/funinkensa/gaiyou
2)東京都福祉局. 東京都不妊治療費助成事業の概要. 東京都福祉局ウェブサイト
https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/kosodate/josei/funin-senshiniryou/gaiyou







