不妊治療にかかる費用をできるだけ抑えたいと考える方にとって、助成制度の把握は重要なステップです。東京都では2026年4月から助成内容が大きく拡充され、これまでより幅広い治療が対象になります。
この記事では、東京都在住の方が知っておきたい助成制度の変更点と対象治療を整理します。
2026年4月から始まる助成制度の変更点
助成内容が大きく変わったポイントは以下のとおりです。

助成対象の拡大:先進医療に加え、保険診療の自己負担分も助成対象に
これまで先進医療費の7割(上限15万円)が助成されていましたが、2026年4月からは先進医療に加え、体外受精・顕微授精の保険診療における自己負担分も新たに助成対象となる予定です。上限は引き続き1回15万円です。
助成の対象となる体外受精・顕微授精と先進医療
体外受精・顕微授精は2022年4月から保険適用となっている治療です。一方、先進医療は保険適用外の技術として、保険診療に上乗せして受けるものです。費用の一部は自己負担となりますが、有効性が認められた技術として厚生労働省が指定しています。
体外受精は、採卵した卵子と精子を培養液の中で受精させ、育った受精卵を子宮へ移植する方法です。顕微授精は、精子の数が極端に少ない場合など体外受精では受精が難しいケースで、細い針を使って卵子へ直接精子を注入する方法です。2026年4月からの拡充により、これらの治療の保険自己負担分が新たに助成対象に加わります。
なお、先進医療についても引き続き助成対象です。着床のタイミングを調べるERA検査や子宮内の細菌バランスを調べるEMMA・ALICE検査、胚の発育を連続撮影で観察するタイムラプスなどが代表的な例としてあげられます。
東京都の不妊治療助成制度とは
東京都では、不妊治療に関する助成制度として、主に2つの制度が設けられています。
ひとつは不妊検査等助成事業で、不妊検査やタイミング法・人工授精などの一般不妊治療にかかる費用の一部を助成するものです。
もうひとつが東京都特定不妊治療費(先進医療)助成事業です。2026年3月時点では、体外受精・顕微授精を保険診療で受ける際に先進医療を自費で併用した場合、その費用の7割・上限15万円が助成される仕組みでした。保険診療そのものの自己負担分は、助成の対象外でした。
各制度の詳細については、こちらの記事をご覧ください。
現在、助成対象となっている先進医療の一覧
2026年3月時点で助成対象となっている先進医療は、以下のとおりです。
- SEET法
- タイムラプス
- 子宮内膜スクラッチ
- PICSI
- ERA/ERPeak
- 子宮内細菌叢検査(EMMA/ALICE)
- IMSI
- 二段階胚移植法
- 子宮内細菌叢検査(子宮内フローラ検査)
- 膜構造を用いた生理学的精子選択術(マイクロ流体技術を用いた精子選別)
- 着床前胚異数性検査(PGT-A)
なお、先進医療は保険診療と組み合わせて受けた場合のみ助成対象となり、単独での受診は対象外です。また、厚生労働省が指定する登録医療機関での受診が条件となります。
不妊治療の助成金のよくある質問
助成金についてよくある質問をまとめました。
Q:助成金の申請はいつから?
申請受付の開始は2026年10月の予定ですが、同年4月以降に開始した治療までさかのぼって申請できます。申請前に治療をスタートしていても対象になるため、早めに治療をはじめたい方も安心して利用できます。
Q:東京都と市区町村の助成金は併用できる?
東京都と各市区町村の助成金は、要件を満たせば併用できる場合があります。併用時の計算方式は自治体によって異なるため、お住まいの区市町村の窓口や公式サイトで確認してみてください。
Q:対象のクリニックはどこで確認できる?
助成を受けるには、厚生労働省から指定を受けた登録医療機関での受診が条件です。対象施設は東京都福祉局の公式サイトで確認できます。
受診前に対象施設かどうかを確認しておくことで、助成申請の手続きをスムーズに進められます。
なお、本記事の情報は2026年3月時点のものです。2026年4月の制度拡充後に内容が変わる可能性があるため、最新情報は東京都および各市区町村の公式サイトで確認してください。
参考文献
東京都:不妊検査等助成事業の概要







