最終更新日:
2026-03-04

排卵は一般的に「次の生理の約14日前」に起こるとされています。たとえば月経周期が28日の場合、生理開始から約14日目が目安です。

ただし、月経周期の長さには個人差があり、さらに同じ人でも毎月必ず同じ日に排卵が起こるとは限りません。周期が長い場合は排卵日も後ろにずれ、短い場合は早まる傾向があります。月経周期が26日であれば12日目、30日であれば16日目、40日であれば26日目という計算になります。

この記事では、月経周期ごとの排卵日の目安や計算方法、妊娠しやすいタイミングとの関係、排卵日がズレるケース、受診を検討する目安についてわかりやすく解説します。

排卵日は生理の何日後?【周期別の目安と計算方法】

排卵日は、一般的に「次の生理の約14日前」に起こるとされています。たとえば月経周期が28日の場合、生理が始まってから約14日後が目安です。

このように、排卵日は月経周期の長さによって異なります。周期が長くなれば排卵日も後ろにずれ、短くなれば早まる傾向があります。

月経周期は、生理が始まった日から排卵するまでの「卵胞期」と、排卵から次の生理の前日までの「黄体期」に分かれています。このうち黄体期はおおむね約14日前後で大きく変わらないとされていますが、卵胞期は人によって異なり、さらに同じ人でも周期によって長さが変動することがあるため、排卵日にも個人差が生じます。

排卵日を計算するために、まずは自分の月経周期を把握しましょう。

月経周期別の排卵日の目安

排卵日のおおよその目安は、「月経周期の日数−14日」で計算できます。

排卵後にできる黄体の寿命はおよそ12~14日間とされており、この期間が終わると次の生理が始まります。そのため、月経周期の日数から14日を引くことで、生理開始から排卵までのおおよその日数がわかります。

代表的な月経周期の場合の目安は、以下のとおりです。

月経周期 排卵日の目安(生理開始からの日数)
25日 約11日目
28日 約14日目
30日 約16日目
35日 約21日目
38日 約24日目

上記の日数はあくまでも計算上の目安です。実際の排卵日は、ストレスや生活習慣の乱れによって月経周期自体が変動することで、前後することがあります。

より正確に排卵日を把握したい場合は、基礎体温の記録や排卵検査薬、医療機関での経腟超音波検査などを組み合わせて判断するとよいでしょう。

よくある数え方の間違い

排卵日の計算で間違いやすいのが、「生理が終わった日」を起点にしてしまうことです。正しくは、生理の期間の長さにかかわらず「生理が始まった日」を1日目として数えます。

生理の出血が続く期間は3〜7日程度と個人差があるため、「生理が終わった日から14日後」で計算すると、実際の排卵日とは大きくずれてしまいます。

また、「月経周期のちょうど真ん中が排卵日」と思い込んでしまうケースも少なくありません。排卵から次の生理までの期間はおおむね約14日前後ですが、生理から排卵までの期間は月経周期の長さによって変動します。そのため、周期の真ん中が排卵日になるとは限らないのです。

正確な予測のためには、生理が始まった日をカレンダーやアプリに記録する習慣をつけることが大切です。

妊娠しやすいタイミングはいつ?

妊娠の可能性が高まる時期は、一般的に排卵1~2日前から排卵日当日とされています。

ただし、精子は体内で数日生存することがあるため、排卵より数日前から妊娠の可能性が生じることもあります。

排卵されたときに、すでに精子が卵管で待機している状態にしておくことが、受精の確率を高めるポイントになります。

排卵検査薬を使用する場合は、排卵予定日の3~4日以上前から使いはじめると、ホルモンの急激な変化であるLHサージを捉えやすくなります。

排卵が起こる仕組み

排卵は、脳から分泌される黄体形成ホルモンが急増する(LHサージ)ことで引き起こされます。LHが上昇してからおよそ24~48時間後に排卵が起こるとされています。排卵は、卵胞という卵子を入れている袋が破れ、中から卵子が出て卵管へと入る現象です。

排卵後の卵胞は「黄体」に変化し、子宮内膜を妊娠に適した状態に整えます。妊娠が成立しなかった場合、黄体は約14日前後で機能を終え、次の生理が始まります。

排卵日を予測・確認する方法

排卵日を把握するには、大きく分けて3つの方法があります。

計算上の目安の日が近づいてきたら、以下の手段を組み合わせて自分の体のサインを確認しましょう。

方法 特徴
基礎体温の記録 低温期から高温期への変化を記録し、排卵が起きたことを振り返って確認する。数周期の傾向をみて、次周期を予測するため、現行の周期での排卵の予測はできない。
排卵検査薬 排卵前に増える黄体形成ホルモン(LH)を尿で検出し、排卵のタイミングを予測する。排卵の48時間程度前からの予測が可能。
医療機関での検査 経腟超音波検査で卵胞の大きさを確認し、ホルモン値も合わせて評価する。排卵の3~4日前からの予測が可能。

自分で排卵日予測をするなら、排卵検査薬と基礎体温の測定が簡便ですが、限界もあります。排卵検査薬を使用する場合は、排卵予定日の数日前から使用する必要があります。

より確実に排卵日を特定したい方や、自己流でのタイミングに不安がある方は、医療機関での検査をすることで、確実に排卵しているか、排卵後のホルモンは十分に分泌されているかなども調べることが出来ます。

なお、妊娠しやすい時期や生理周期については以下の記事でも解説しています。

排卵日がズレる・わからないときの考え方

月経周期が不規則な方は、計算だけでは排卵日の予測が難しい場合があります。

排卵から次の生理までの期間はおおむね約14日前後とされていますが、月経周期自体がストレスや体調の変化によって長くなったり短くなったりします。月経周期が変わると、月経周期から逆算する排卵日も変わってしまいます。

月経周期が変わるのは、多くの場合、卵胞期が変動していることが原因です。月経周期が24日以内と短い頻発月経や、39日以上空く希発月経などの傾向がある方は、排卵しづらい原因が隠れている可能性があるため医療機関への相談を検討しましょう。

生理不順や排卵が遅れるケース

生理不順や排卵の遅れが続く場合は、背景にホルモンバランスの乱れや疾患が関係している場合もあります。月経周期が長くなる原因としては、排卵が起こらない無排卵周期症や卵胞が育つのに時間がかかるケースがあげられます。

排卵障害を引き起こす代表的な疾患には、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)や高プロラクチン血症などがあります。

また、急激なダイエットやストレス、不規則な生活、甲状腺の病気なども排卵に影響を及ぼします。

排卵が起こらないまま出血する無排卵周期症では、本人は通常の生理だと思っていても実際には排卵が起こっていないため、タイミングを取ったとしても妊娠することは出来ません。基礎体温が低温・高温の二相にはっきりわかれない場合や、月経のように定期的に出血があっても39日以上の長い周期である場合は、排卵が起こっていない無排卵周期症の可能性があるため、医療機関で相談すると安心です。

受診を検討する目安

月経周期が不規則な方は、計算だけでは排卵日の予測が難しいため、医療機関での確認が必要になる場合があります。

以下のような状態に当てはまる場合は、早めに受診を検討しましょう。

  • 月経周期が24日以内、または39日以上の状態が続いている
  • 3か月以上月経が来ていない
  • 1か月のうちに何度も月経のような出血がある

特に無月経を放置すると、治療を行っても正常な周期に戻りにくくなる場合があります。月経周期の乱れが気になる方は、1~2か月分の基礎体温の記録を持参して、早めに婦人科を受診しましょう。

排卵日に関するよくある質問

排卵日について多くの方が抱く疑問にお答えします。

排卵日を避ければ避妊になりますか?

排卵日を避けるだけでは、確実な避妊にはなりません。確実に排卵日を予測すること自体が困難だからです。

排卵日は体調やストレスによって変動するうえ、精子は女性の体内で最長5日程度生存する可能性があるため、排卵日を予測して避ける方法は、確実性が高い避妊法とはいえません。

確実な避妊を希望する場合は、コンドームの適切な使用や低用量ピルの内服などを医療機関で相談しましょう。

基礎体温が下がった日が排卵日ですか?

基礎体温が下がった日が排卵日とは限りません。

基礎体温が一時的に下がる日(体温陥落日)と実際の排卵日が一致する割合は約28%、低温期の最終日に排卵が起こる割合も約63%にとどまるという報告があります。

さらに一度下がって上がったところが排卵日辺りではあるのですが、一度下がったと思っても、翌日にさらに下がってから上がることなどもあり、どこが体温の陥落日かを特定することは困難です。

つまり基礎体温は、体温が低温期から高温期に切り替わったことで「排卵があった」と振り返って確認するのに向いている方法ですが、測っている最中の周期の排卵を予測することは出来ません。数か月の記録を継続することで、自分なりのおおよその排卵周期を予測しやすくなります。

これから排卵が起こるタイミングを事前に知りたい場合は、排卵直前に増える黄体形成ホルモン(LH)を検出できる排卵検査薬の方が適しています。

年齢によって排卵のタイミングは変わりますか?

年齢によって排卵のタイミングが変わる可能性はあります。

年齢とともに卵巣の機能は徐々に変化し、月経周期が短くなることがあります。さらに卵巣機能の低下が進むと、今度は月経周期が長くなったり不規則になったりして、排卵日の予測がより難しくなります。

年齢による月経周期の変化を感じた場合は、基礎体温の記録や医療機関での検査を活用して、排卵のタイミングを確認しましょう。

院長からのメッセージ

「生理が終わってから何日後に排卵があるの?」という質問は、妊活中の方からよくいただきます。

まず気をつけていただきたいのは、月経周期を計算するときに、「生理が終わってから」という数え方をされる方が多いのですが、正しくは生理が「始まった日」を1日目として数えます。この起点の違いが、タイミングのズレにつながることがあるので、ぜひ覚えておいてください。

排卵日の目安は「次の生理予定日の約14日前」です。月経周期が28日なら生理開始から約14日目、35日なら約21日目が目安になります。ただ、これはあくまで計算上の目安です。ストレスや体調、季節の変化によって月経周期が変わると排卵日がずれることがあります。

基礎体温を毎朝測っている方も多いと思います。基礎体温は、排卵が「あった」ことを振り返って確認するのに向いている方法ですが、これから排卵が起こる日を事前に予測するには限界があります。排卵前のタイミングを積極的に把握したい方には、排卵検査薬の方が実践的です。

月経周期が毎月大きくばらついていたり、3か月以上月経が来なかったりする場合は、排卵が正常に起こっていない可能性があります。その場合は計算で解決しようとするよりも、一度婦人科で診ていただく方が確実です。多嚢胞性卵巣症候群や高プロラクチン血症など、治療によって改善できる疾患が背景にあることも珍しくありません。

自分の体のリズムを知ることは、妊活を進めるうえでとても大切な第一歩です。気になることがあれば、どうぞ気軽にご相談ください。

参考文献

日本生殖医学会.一般のみなさまへ - 生殖医療Q&A:Q1.妊娠はどのように成立するのですか?.ウェブサイト

公益社団法人日本産婦人科医会.4.排卵の予測.ウェブサイト