妊娠の鍵を握る「ホルモン」の状態を知る。
「毎月生理が来ているから、ホルモンバランスは大丈夫」と思っていませんか?
実は、月経周期が順調でも、妊娠に必要なホルモンの一部が不足していたり、脳と卵巣の連携がうまくいっていなかったりすることがあります。
例えば、卵巣の機能が低下してくると、脳は卵巣を働かせようとして「卵胞刺激ホルモン(FSH)」を過剰に分泌するようになります。つまり、FSHの値が高いことは、卵巣機能低下のサイン(予備能の減少)である可能性があるのです。
ホルモン検査は、採血のみでご自身の卵巣の状態や排卵障害の原因を詳しく知ることができる、不妊治療の基本となる大切な検査です。
ORINAS ART CLINICでは、測定結果を専門医が丁寧に分析し、あなたに最適な治療方針をご提案します。
ホルモン検査でわかること(主な項目)
妊娠成立のためには、脳(下垂体)と卵巣の間で、様々なホルモンが適切なタイミングで分泌される必要があります。
当院では、以下のホルモンを測定し、総合的に評価します。
1. 月経中の検査(基礎値)
推奨時期:月経1日目〜5日目
次の排卵に向けて卵巣が準備を始める時期のホルモン値を測定します。この時期の数値(基礎値)は、卵巣予備能や排卵障害の鑑別において最も重要です。
| ホルモン名 |
役割とわかること |
| FSH (卵胞刺激ホルモン) |
「卵子を育てなさい」という命令ホルモン 脳から卵巣への指令です。加齢などで卵巣機能が低下してくると、脳がより強く命令を出そうとするため、基礎値が上昇します。 ※FSHが高い場合、卵巣予備能の低下が疑われます。 |
| LH (黄体形成ホルモン) |
「排卵しなさい」という命令ホルモン 排卵の引き金になるホルモンです。通常、月経中は低い値ですが、FSHよりLHの方が高い場合などは、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の可能性があります。 |
| E2 (エストラジオール) |
卵胞ホルモン(エストロゲン) 卵胞(卵子の入った袋)から分泌され、子宮内膜を厚くします。月経中の値が高すぎる場合、前の周期の卵胞が残っている(遺残卵胞)や月経前から卵胞が育ってしまっている(フライング)可能性があります。 |
| PRL (プロラクチン) |
乳汁分泌ホルモン 本来は授乳中に出るホルモンです。これが高いと(高プロラクチン血症)、排卵が抑えられてしまい、生理不順や不妊の原因になります。 |
2. いつでも受けられる検査
| ホルモン名 |
役割とわかること |
| AMH (抗ミュラー管ホルモン) |
卵巣予備能(卵子の在庫の目安) 卵巣内にこれから育つ予定の卵子がどれくらいあるかを表す指標です。治療方針(ステップアップの時期や刺激法の強さなど)を決めるために極めて重要です。 ※詳しくはAMH検査ページをご覧ください。 |
| TSH / FT4 (甲状腺ホルモン) |
体の代謝を司るホルモン 甲状腺機能の異常(亢進症・低下症)は、排卵障害や流産率の上昇に関係しています。自覚症状がなくても数値異常が見つかることがあります。 |
| Testosterone (テストステロン) |
男性ホルモン 女性の体内にも微量に存在しますが、高値の場合、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などが疑われます。 |
3. 排卵後の検査(黄体期)
推奨時期:排卵から約5〜7日後
| ホルモン名 |
役割とわかること |
| P4 (プロゲステロン) |
黄体ホルモン 排卵後の卵胞(黄体)から分泌され、受精卵が着床しやすいように子宮内膜を整えます。この値が低いと「黄体機能不全」と診断され、着床障害や流産の原因になる可能性があります。 |
月経周期とホルモンの関係
女性の体は、周期的なホルモンの波(変動)によってコントロールされています。
適切な時期に検査を受けることで、初めて正確な診断が可能になります。
※検査のタイミングは、医師が患者様の月経周期に合わせてご案内します。
検査の流れ
| Step |
項目 |
内容 |
| Step 1 |
ご予約 |
アプリまたはWebからご予約ください。月経中の検査をご希望の場合は、生理が始まったら早め(D1〜D5の間)にご予約をお取りください。 |
| Step 2 |
採血 |
ご来院後、採血を行います。食事の制限は特にありません。 |
| Step 3 |
結果説明 |
検査項目によりますが、通常約30分〜1時間程度で当日中に結果が出るものと、約1週間かかるもの(AMHなど)があります。 結果に基づき、必要であればホルモン補充療法や排卵誘発などの治療をご提案します。 |
費用について
不妊治療の一環として行うホルモン検査は、基本的に保険適用となります。
※ブライダルチェック(自費診療)として行う場合や、混合診療の制限により自費となる場合があります。
よくあるご質問(FAQ)
Q. 生理不順なのですが、いつ検査に行けばいいですか?
A. 生理不順の方こそ、ホルモン検査で原因を調べることが大切です。まずは生理が来たタイミング(1〜5日目)でご来院ください。もし長期間生理が来ない場合は、いつでも構いませんので一度ご相談ください。随時の検査で状態を確認し、お薬で生理を起こしてから検査を行うこともあります。
Q. 痛みはありますか?
A. 採血のみですので、チクリとする程度です。