採卵された卵子と精子が出会い、受精して「胚(受精卵)」となり、子宮に戻るまでの数日間。 この最も繊細で重要な時期を過ごすのが、院内にある「培養室(ラボ)」です。
胚にとって、外の世界はストレスだらけです。光・温度変化・乾燥など、これらすべてが発育を妨げる要因になります。
ORINAS ART CLINICの培養室は、お母さんのお腹の中(卵管・子宮)の環境を極限まで再現するために、最新のテクノロジーと厳格な管理体制を備えています。
あなたの大切な命の種を、培養士(エンブリオロジスト)が24時間体制で見守り、育てます。
従来の方法では、受精卵の成長を確認するために、培養器(インキュベーター)から外に取り出して顕微鏡で観察する必要がありました。しかし、この「外に出す」こと自体が、胚にとっては光、pH変動、温度変化などのストレスになっていました。
当院では、全症例で「タイムラプスインキュベーター」を導入しています。

胚は成長段階に合わせて必要な栄養素が変化します。当院では、胚の状態や培養環境に合わせて最適な培養液を選択しています。
当院では、培養液の交換(培地交換)が不要な「ワンステップメディウム」を積極的に採用しています。 これは、受精から胚盤胞になるまでの全ての期間に必要な栄養素があらかじめ含まれている培養液です。途中で培養液を入れ替える必要がないため、胚を培養器の外に出す回数を劇的に減らすことができます。
外気や温度変化にさらされるリスクをなくすこの方法は、24時間観察可能な「タイムラプス培養器」との相性が抜群に良く、胚にとって最もストレスの少ない環境を提供できます。
※当院では、前回の培養成績や発育状況の結果をもとに、別の培養液を使い分けるなど、個々の胚に最適な環境を提供しています。
受精卵は、細胞分裂を繰り返しながら成長します。

高度生殖医療の成績は、医師の治療方針だけでなく、胚を直接取り扱う胚培養士(エンブリオロジスト)の技術と判断力に大きく左右されます。 当院には、日本卵子学会認定「生殖補助医療胚培養士」や「体外受精コーディネーター」などの専門資格を有し、高度生殖医療の現場で10年以上の豊富な臨床経験を積んだ培養士が常駐しています。
卵子の取り扱いから顕微授精、胚培養、凍結・融解に至るまで、すべての工程を経験豊富な胚培養士が担当し、正確でミスのない操作を徹底しながら、大切な胚を最後まで責任をもって預かっています。
当院では、患者様からお預かりした大切な検体(卵子・精子・受精卵)の取り違えを絶対に起こさないために、QRコードとICタグを組み合わせた独自開発のWチェックシステム「QRIC(クリック)」を導入しています。
人の目によるチェックに加え、テクノロジーによる強制的な照合を行うことで、ヒューマンエラーを根絶し、究極の安心・安全を提供します。
胚にとって培養器は、成長を続けるための大切な環境です。当院では、この培養環境を常に最良の状態に保つため、徹底した管理体制を整えています。
培養器の温度やガス環境は毎日確認し、実際のガス濃度やpHを測定することで、数値のわずかな変化も見逃さないよう管理しています。
また、培養器に異常が生じた場合には、胚培養士へ即座にアラーム通知が届く仕組みを導入しており、昼夜を問わず状況を把握し、迅速な対応が可能です。さらに、停電などの予期せぬトラブルに備え、バックアップ電源を含む多重の安全対策も講じています。
胚培養士が責任をもって培養管理を行い、大切な胚を守り続けています。