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生殖補助医療(ART)について

生命誕生のプロセスを、技術で支える。「生殖補助医療」の全体像

「生殖補助医療(ART)」と聞くと、とても難しく、特別な治療のように感じるかもしれません。

しかし現在、少子化が進む日本において、体外受精などのART技術は多くの新しい命を支えています。

最新のデータでは、約8.6〜10人に1人の赤ちゃんが、この技術によって誕生しています(※)。学校のクラスに3〜4人はいる計算になり、今や決して珍しい治療ではありません。

【体外受精とは?】

不妊治療を「山登り」に例えると分かりやすいかもしれません。

山頂に卵子がいるとして、麓(ふもと)から頑張って登って会いに行くのが通常の性交渉(タイミング療法)だとすると、5合目までショートカットさせてあげるのが人工授精です。

そして、山頂から卵子を麓に降ろしてきて、地上で精子と出会わせてあげるのが「体外受精」です。精子が頑張って山頂まで登る必要がない分、受精の効率が格段に上がり、妊娠の可能性が高まるのです。

私たちORINAS ART CLINICは、最新のテクノロジーと確かな培養技術で、この「地上での出会い」から着床までを精密にサポートします。

※日本産科婦人科学会 ARTデータブック(2021年・2022年)より推計

生殖補助医療(ART)に含まれる治療

ARTは一つの治療法ではなく、以下の技術を組み合わせた一連のプロセスです。

  1. 採卵術 (OPU):卵巣から卵子を採取します。
  2. 体外受精 (c-IVF):シャーレの中で卵子と精子を出会わせます(ふりかけ法)。
  3. 顕微授精 (ICSI):顕微鏡を使って、卵子に直接精子を注入します。
  4. 胚培養:受精卵を培養液の中で育てます。
  5. 胚凍結:育った胚を凍結保存します。
  6. 胚移植 (ET):胚を子宮内に戻します。

治療の大まかな流れ

ARTは、月経周期に合わせて計画的に進めていきます。

Step 工程 内容
1 卵巣刺激 通常の月経周期では1周期に1個の卵子が排卵しますが、採卵をする際には一度になるべくたくさんの卵子を発育させるために、飲み薬や注射を使い卵巣を刺激します。
※個人の卵巣予備能(AMH)に合わせて刺激法を調整します。
2 採卵 経膣超音波を使って卵巣の中の卵胞を確認し、麻酔を使用して痛みがない状態で、採卵針で卵子を回収します。
同時刻に精子も提出していただきます。
3 受精(媒精) 卵子と精子の状態に合わせて、「体外受精」または「顕微授精」を行って受精卵をつくります。
4 培養・凍結 受精卵を3〜6日間培養し、「胚盤胞」まで育った段階で凍結保存します。
5 胚移植 次周期以降で、自然排卵やホルモン剤の使用で子宮内膜を整え、融解した胚を子宮に戻します(凍結融解胚移植)。
必要に応じて凍結せずに同じ周期に移植をする、新鮮胚移植をすることもあります。

当院のARTの特徴:Science × Tech

1. エビデンスに基づく刺激法の選択

AMH(卵巣予備能)の値や過去の治療歴に基づき、「最も効率よく、質の良い卵子が採れる方法」を提案します。低刺激から高刺激まで、画一的ではないオーダーメイドの計画を立てます。

2. 最新機器を備えた培養室(ラボ)

受精卵が育つ環境は、妊娠率に直結します。当院では、受精卵を取り出すことなく観察できる「タイムラプス培養器」など最新の機器を導入し、胚へのストレスを最小限に抑えています。

3. 痛みに配慮した採卵

静脈麻酔や局所麻酔を適切に使用し、眠っている間に終わるような、苦痛の少ない採卵を行っています。

上條 慎太郎
ORINAS ART CLINIC 院長

費用の壁は低くなりました。まずは「知る」ことから始めませんか。

「体外受精はお金がかかる」「特別な人が受けるもの」

そんなイメージを持たれている方も多いかもしれません。ですが、2022年の保険適用化により、体外受精はぐっと身近な医療になりました。

不妊治療を山登りに例えるなら、体外受精は「山頂から卵子を麓(ふもと)に降ろしてきて、地上で精子と出会わせる」方法です。

タイミング療法や人工授精が「山頂を目指して登る」治療だとすれば、体外受精は「出会いの場所を変える」という発想の転換です。精子が険しい山道を登る必要がない分、受精の確率は格段に上がります。

タイミング療法や人工授精で結果が出ないとき、それは「出口のないトンネル」のように感じるかもしれません。

しかし、生殖補助医療(ART)の世界に踏み出すことで、その景色は一変します。

「受精していなかったのか」「卵子の質はどうだったのか」といったブラックボックスだった原因が目に見えるようになり、具体的な解決策が見つかるからです。

迷われているなら、まずは話だけでも聞きにいらしてください。

「いつか」ではなく「今」踏み出す一歩が、お二人の未来を大きく変えるかもしれません。私たちが全力でサポートします。

ORINAS ART CLINIC 院長

上條 慎太郎