超音波検査で卵胞(卵子が育つ袋)の大きさを測って排卵日を予測し、妊娠しやすい時期に性交渉を持っていただけるよう、医師が日程をお伝えする治療です。必要に応じて、卵胞の発育や排卵を助けるお薬を使います。体外受精などに比べて身体や費用の負担が少なく、不妊治療の最初のステップとして行います。
「排卵日検査薬を使っているけれど、なかなか妊娠しない」
「アプリの予測日に合わせているのに……」
排卵日は周期ごとにずれることがあります。そのため、月経周期の日数やアプリの予測だけでは正確に捉えきれないことがあります。不妊治療を受診したカップルのうち、妊娠しやすい時期を正しく理解していた方は約1割だったという報告もあります(文献2)。
医療機関でのタイミング療法では、次のような点が異なります。
事前の検査で、次の条件を満たしていることを確認してから始めます。
不妊期間が長い方や、子宮内膜症がある方などは、タイミング療法から始めずに人工授精や体外受精をご提案することもあります。
通院の目安:1周期あたり2〜3回程度です。お薬の有無や卵胞の育ち方によって変わります。
精子は女性の体内で数日間、受精する力を保つとされています。一方、卵子が受精できるのは排卵後およそ1日以内です。そのため、妊娠しやすいのは排卵日までの数日間で、特に排卵の1〜2日前が最も妊娠しやすいと報告されています(文献1)。排卵の前に精子が待っている状態をつくることが大切です。
タイミング療法は保険診療で受けられます。3割負担の場合、1周期あたりの自己負担額はおおむね数千円〜1万円程度です。診察の回数、お薬や注射の種類、検査の内容によって変わります。
このほか、3か月に1回「一般不妊治療管理料」(3割負担で750円)がかかります。
詳しくは「費用」のページをご覧ください。
タイミング療法は身体への負担が少ない治療です。一方で、続ければ続けるほど妊娠しやすくなる治療ではありません。
超音波検査で排卵日を確認しながらタイミング療法を行った海外の研究では、1周期あたりの妊娠率は約9%でした。妊娠した方の約8割が最初の3周期以内に妊娠しており、6周期を超えると妊娠率はほとんど上がらなかったと報告されています(文献3)。妊娠率は年齢、不妊期間、不妊の原因によって大きく異なります。
何周期か取り組んでも妊娠しない場合、次のような、通常の検査では分かりにくい理由が隠れている可能性があります。
こうした場合は、人工授精や体外受精に進むことで妊娠が期待できることがあります。
当院では、次の周期数を目安に、次のステップについてご相談しています。
不妊期間が2年以上の方や子宮内膜症がある方は、上記より早めの相談をおすすめすることがあります。
ただし、次のステップに進むかどうかを決めるのはお二人です。お二人の考えやペースを大切にしながら、治療の計画を一緒に立てていきましょう。
自然に排卵がある方では、お薬を使わずにタイミング療法を行うこともあります。お薬を使う場合は、月経周期やホルモンの状態に合わせて選びます。
卵胞が十分に育った時点で使います。排卵の時期を予測しやすくなり、性交渉の日程をお伝えしやすくなります。
排卵を促すお薬を使っても、排卵しない場合や、排卵の時期がずれる場合があります。