未受精卵子凍結(社会的適応)

「今」の自分を、未来の自分のために残す選択。

「今は仕事に集中したいけれど、いつかは子どもが欲しい」

「パートナーはまだいないけれど、将来の可能性は残しておきたい」

晩婚化が進む現代において、卵子凍結はキャリアとライフプランを両立させるための、賢い選択肢の一つ(リプロダクティブ・ヘルス/ライツ)として定着しつつあります。

厚生労働省の人口動態統計(確定数)によると、2024年の平均初婚年齢は夫が31.1歳、妻が29.8歳となりました。約30年前(1995年)と比較すると、夫は約2.6歳、妻は約3.5歳も晩婚化が進んでいることになります。

一方で、卵子の数は生まれつき決まっており、年齢とともに質(妊娠する力)は低下していきます。特に35歳を過ぎると妊娠率は急激に下がり、流産率は上昇します。

ORINAS ART CLINICでは、将来の妊娠に備えるための「社会的適応による卵子凍結」を積極的にサポートしています。

卵子凍結とは?

卵巣から未受精の卵子を採取し、液体窒素で凍結保存しておく技術です。

精子と受精させてから凍結する「受精卵(胚)凍結」とは異なり、パートナーがいなくてもご自身の判断で行うことができます。

凍結するメリット

  • 「若い卵子」を保存できる:加齢によって妊娠率が低下する主な原因は卵子の質の低下です。凍結した卵子はその時点での質を留めることができます。例えば、30歳で凍結した卵子は、あなたが35歳になっても40歳になっても「30歳の卵子」としての妊娠率を維持します。
  • 精神的な余裕:「年齢のリミット」に対する焦りを軽減し、今の仕事や生活に前向きに取り組めるようになります。

当院の技術:ガラス化法(Vitrification)

かつて、未受精卵子は水分が多く非常にデリケートなため、受精卵と比較して凍結・融解の過程でダメージを受けやすいとされていました。 しかし、現在の急速凍結技術(ガラス化法)により、融解後の生存率は約90〜95%以上と飛躍的に向上しています。

当院では、熟練した胚培養士が操作を行い、大切な卵子を確実に守ります。

適応と年齢制限

  • 対象:将来の妊娠を希望する成人女性
  • 推奨年齢:39歳以下での採卵・凍結を強く推奨しています。
    • 40歳以上になると、採卵しても質の良い卵子が採れる確率が低くなり、凍結のメリット(将来の出産率向上)が薄れてしまうためです。

治療の流れ

通常の体外受精の「採卵」までのステップと同じです。

Step 工程 内容
1 卵巣刺激 排卵誘発剤を使用し、一度に複数の卵子を育てます。 ※将来のチャンスを増やすため、当院では1回の採卵でなるべく多く(10個以上目安)の確保を目指します。
2 採卵 静脈麻酔などを使用し、痛みなく卵子を採取します。
3 凍結保存 採れた卵子のうち、成熟しているものを選別し、直ちに凍結保存します。
4 保管・更新 1年ごとの更新手続きで、ご希望の期間まで保管を継続します。

将来、使用する時(融解・受精)

パートナーができ、妊娠を希望されたタイミングで卵子を融解します。

パートナーの精子と顕微授精を行い、受精させてから子宮に戻します。

※凍結卵子を使用した妊娠率は、凍結時の年齢に依存します。

費用と助成金について

未受精卵子凍結は、原則として自費診療となります。また、現行の保険制度では、凍結卵子使用時の受精・培養・胚移植も自費診療となります。

  • 費用:料金ページ」をご確認ください。
  • 東京都の助成金:当院は、東京都の「卵子凍結に係る費用への助成」の登録医療機関です。条件を満たす方は、最大30万円の助成を受けられる場合があります。
    • 対象:都内に住む18歳〜39歳の女性
    • 詳細は「助成金ページ」、または東京都福祉局のHPをご確認ください。
上條 慎太郎
ORINAS ART CLINIC 理事長・院長

未来のあなたへの、最高のプレゼントになるかもしれません。

卵子凍結は、決して「魔法」ではありません。凍結したからといって、将来100%妊娠できるわけではないからです。

しかし、それは未来のあなたにとって、かけがえのない「希望」になります。

例えば、30歳で卵子を凍結しておけば、38歳で結婚した時、「38歳の卵子」で妊活をスタートするのと同時に、「30歳の若い卵子」という切り札を持った状態で挑むことができます。

「38歳で妊娠できるだろうか」という不安と戦いながら妊活するのと、「30歳の卵子がある」という安心感を持って挑むのとでは、心の余裕が全く違います。

また、「年齢のリミット」に追われてパートナー選びを急いだり、キャリアのチャンスを諦めたりする必要もなくなります。

卵子凍結は、今のあなたが、未来のあなたへ贈る「選択肢(自由)」そのものです。

「あの時、凍結しておいてよかった」

数年後、そう思える日が来るかもしれません。逆に、自然妊娠して使わなかったとしても、「お守りがあったから安心して仕事やプライベートに打ち込めた」と思っていただけるなら、それもまた大きな価値です。

迷われているなら、まずは卵巣予備能(AMH)を測ることから始めてみませんか?

あなたのライフプランに合わせた最適なタイミングを、一緒に考えましょう。

ORINAS ART CLINIC 理事長・院長

上條 慎太郎