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最終更新日:
2026-05-21

妊娠を希望している方のなかには、「タイミングが合えば1回で妊娠できるのか」「年齢によって妊娠率はどのくらい変わるのか」と気になっている方もいるでしょう。

妊娠のしやすさは年齢や排卵のタイミング、体の状態、パートナーの精子の状態などによって異なります。排卵日前後にタイミングを合わせることで妊娠の可能性は高まりますが、1回の性行為や1回の月経周期で必ず妊娠できるわけではありません。

この記事では、20代・30代・40代の妊娠率の目安や、妊娠しやすいタイミング、妊娠の可能性を高めるために意識したいポイントなどを解説します。

タイミングよく1回で妊娠する確率は?

妊娠できる確率は、年齢によって大きく異なります。女性の生殖能力は20代がピークとされており、30代に入ると徐々に妊娠率が下がりはじめます。

また、月経周期の中でも妊娠できるタイミングは決まっており、排卵日の5日前から当日が妊娠の可能性がある期間の目安となります。

米国生殖医学会(ASRM)によると、健康な30歳女性が1回の月経周期で妊娠できる割合は約20%とされています。一方、40歳になると1周期あたりの妊娠率は5%未満まで低下します1)。これらの数値は1回の月経周期の確率であり、1回の性行為で妊娠する確率はこれよりも低いことが想定されます。

1回の生理周期における年齢別の妊娠率

ここでは、年代別の妊娠の確率をみていきます。

日本人のカップルを対象とした2021年の研究報告を紹介します。この研究では1周期あたりの妊娠する確率を、年齢区分ごとに推定した結果が報告されています2)。先述のASRMの数値は妊娠能力のある健康な女性を前提とした推定値ですが、こちらの統計はすべての妊娠希望のカップルを含む実態値のため、数値が異なります。

<日本人のカップルを対象とした観察研究>

年齢層 1周期あたりの妊娠率(中央値)
24歳以下 18%
25〜29歳 13%
30〜34歳 10%
35〜39歳 6%
40歳以上 1%

20代の妊娠確率

20代は、すべての年代のなかで妊娠しやすさがもっとも高い時期です。この調査では1周期あたりの妊娠する確率は24歳以下で約18%、25〜29歳で約13%と推定されています2)。妊娠しやすい年代であっても、1周期で必ず妊娠できるわけではありません。

妊娠までの平均期間は、24歳以下で約6.5か月、25〜29歳で約7.0か月と報告されており、20代では妊娠するまでの期間も短い傾向が示されています。

30代の妊娠確率

30代では1周期あたりの妊娠する確率は30〜34歳で約10%、35〜39歳では約6%と推定されています2)。妊娠までにかかる平均期間も年齢とともに長くなる傾向があり、30〜34歳では約9.5か月、35〜39歳では約9.8か月という結果です。20代と比べると、いずれも妊娠までの期間が長くなっています。

40代の妊娠確率

40代以上では、1周期あたりの妊娠率は約1%と推定されており2)、若い年代と比べて自然妊娠の可能性は大きく低下します。

また、妊娠までの平均期間は、今回の調査では自然妊娠のみのデータで約8.9か月と示されています。ただし、40歳以上で自然妊娠に至った対象者は3名にとどまるため、数値は参考程度とみておくのがよいでしょう。

実際に不妊治療を実施したカップルも含めた場合の妊娠までの平均期間は、約19.7か月という結果であり、30〜34歳の約11.6か月、35〜39歳の約13.7か月と比較しても大きく期間が伸びていることがわかります。

ここまで年代別の妊娠する確率と妊娠までの期間を推定した調査結果を紹介しましたが、同じ年代でも妊娠のしやすさには個人差があり、年齢だけで一概に判断できるわけではありません。年齢は重要な要素の一つですが、排卵の状態や既往歴、パートナーの精子の状態なども妊娠しやすさに関わる点には注意が必要です。

ただし、年齢が上がるにつれて妊娠する確率が下がるのは多くの研究で明らかになっているため、とくに35歳以上で妊娠を希望する場合は、早期に専門の医療機関に受診をすることも考慮する必要があります。

妊娠の可能性を高めるために知っておきたいタイミング

妊娠の可能性を高めるには、妊娠しやすい時期とされる排卵前から排卵日頃にタイミングを合わせることが重要です。

具体的には排卵日の5日前から妊娠の可能性があり、排卵2日前から排卵日当日が最も妊娠する確率が高くなります。

排卵の時期を予測する方法としては以下が挙げられます。

  • 生理予定日から逆算する:排卵日は生理日の約14日前が目安
  • 基礎体温を測定する:排卵後は体温が上昇
  • 排卵日予測検査薬を活用する:尿をかけることで陽性となった場合は排卵日が近い
  • おりものを観察する:排卵日が近づくとよく伸びるなど性状が変わる

妊娠しやすいタイミングや排卵時期の予測については、以下の記事でも詳しく解説しているのでご覧ください。

妊娠に良い影響を与える生活習慣

妊娠を目指すうえで、日常の生活習慣を整えることは大切なポイントです。

体重管理は男女ともに重要で、極端な食事制限は排卵に関わるホルモン分泌に影響し、月経不順や排卵障害を招く可能性があります。太りすぎも同様にホルモンバランスを乱し、排卵障害につながるおそれがあります。男性の場合も、肥満は精巣の機能低下を引き起こす要因となりえます。

喫煙習慣の見直しも欠かせません。女性では卵巣の働きや卵子の状態に悪影響を及ぼす可能性があります。男性では精子の質が低下したり、精子DNAに損傷が生じたりすることが報告されており、パートナーとともに禁煙に取り組むことが推奨されています。

妊活の際に気をつけたい生活習慣については、以下の記事でも詳しく解説しているのでご覧ください。

タイミングを合わせても妊娠しないときの受診目安

前述のとおり、若い一般的なカップルでも1回の月経周期で必ず妊娠するわけではありません。しかし、一定期間が経過しても妊娠しない場合や、女性の年齢によっては医療機関への相談を検討しましょう。

受診の目安は年齢によって異なり、35歳未満では約1年、35歳以上では6か月を目安に受診することが推奨されています。40歳以上では、妊娠を試みる前の段階から専門医への相談が望ましいとされています。

また、子宮内膜症など妊娠に影響を与える可能性のある疾患がある場合は、妊活期間にかかわらず検査を受けるようにしましょう。

医療機関への受診時期の目安については、以下の記事でも詳しく解説しているのでご覧ください。

妊娠の確率とタイミングに関するよくある質問

ここでは妊娠の確率とタイミングに関するよくある質問に回答します。

性交後に妊娠検査薬を使うタイミングは?

生理周期が規則的な方であれば、生理予定日から約1週間後を目安に妊娠検査薬を使用するとよいでしょう。早く検査すると、妊娠していてもhCGの量が十分でなく、陰性になることがあります。生理が不規則な場合は、性交日からカウントして約3週間後が妊娠検査薬を使用する目安となります。

妊娠検査薬が性交から何日で反応するかは、以下の記事でも詳しくまとめているのでご覧ください。

陽性反応が出た際は、子宮外妊娠や流産の可能性を除外するためにも、必ず医療機関を受診してください。一方、陰性であっても生理が来ない状態が続く場合は、妊娠以外の疾患が原因となっている可能性があります。放置せず、医療機関に相談することが大切です。

妊娠検査薬はドラッグストアや薬局で購入できます。

妊娠しにくい場合に考えられる原因は?

妊娠しにくい背景には、医学的にさまざまな要因が関わっています。

女性側の要因としては、加齢による卵巣機能や卵子の質の低下、排卵の異常、卵管の閉塞・癒着、子宮や骨盤内の病気などが挙げられます。男性側では、精子をつくる機能の低下や精子の通り道の問題、勃起・射精に関わる問題などが原因になることがあります。

さらに、喫煙や過度な飲酒、肥満といった生活習慣も、妊娠しやすさに影響する可能性があります。

不妊症や不妊の原因などについては、以下の記事でも詳しく解説しているのでご覧ください。

院長からのメッセージ

「タイミングを2回とったけど妊娠できないのは不妊だからでしょうか」という質問を受けることがあります。答えとしては「1回あたりの妊娠率はそれほど高くないので、2回だけで確実に不妊であるとは言えない」というのが正確なところです。 

20代の方で1周期あたり約13〜18%、30代前半で約10%、30代後半で約6%というのが日本人カップルを対象にした研究の推定値です。これは100組のカップルが1周期タイミングをとったとき、妊娠に至るのは6〜18組程度というイメージです。「思ったより低い」と感じる方もいるかもしれません。

ただ、1周期ごとの確率は低くても、毎周期タイミングをとり続けることで累積の妊娠率は上がっていきます。たとえば1周期10%の確率であっても、6周期繰り返せば累積で約47%、12周期では約72%になる計算です。妊娠までに数か月かかることは珍しくなく、時間がかかること自体は「何か問題がある」ということではありません。

ただし一定の期間が過ぎても妊娠しない場合は、早めに検査を受けることで原因を確認したり、対処できることが見つかることがあります。35歳以上の方は6か月、それ未満の方は1年を目安に相談を検討してください。40代の方は、妊活を始める段階からあらかじめ相談しておくことをお勧めします。

参考文献

1)American Society for Reproductive Medicine. Age and Fertility (booklet). ASRM

2)Konishi S, Kariya F, Hamasaki K, Takayasu L, Ohtsuki H. Fecundability and Sterility by Age: Estimates Using Time to Pregnancy Data of Japanese Couples Trying to Conceive Their First Child With and Without Fertility Treatment. Int J Environ Res Public Health. 2021;18(10):5486.

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