最終更新日:
2026-01-29

東京都でブライダルチェックを受けたいと思ったとき、「どのクリニックを選べばいいのか」「費用はどのくらいか」「助成金は使えるのか」と迷う方は少なくありません。

東京都には多くのクリニックがあり、検査内容や費用もさまざまです。また、ブライダルチェックは原則として自費ですが、目的や状況によっては東京都の助成制度を利用できる場合があります。

この記事では、東京都でブライダルチェックを受ける前に押さえておきたいポイント、クリニック選びの考え方、利用できる可能性のある助成制度について、わかりやすく解説します。

東京都でブライダルチェックを受ける前に押さえるポイント

東京都でブライダルチェックを受ける際は、費用の考え方や助成の有無、クリニック選びの基準を事前に整理しておくことが大切です。

受診前に知っておきたいポイントを確認しましょう。

ブライダルチェックは原則「自費」

ブライダルチェックは、将来の妊娠に備えて体の状態を確認する予防的な検査として行われるため、原則として保険適用外となります。医療機関によって料金体系やセット内容が異なるため、受診前に「検査項目」「初診料・再診料の有無」「結果説明の回数」まで確認しておくと安心です。

助成が使えるかどうかは目的で決まる

ブライダルチェックそのものは助成対象外であることが多い一方で、状況によっては助成金の対象になるケースがあります。

東京都では、将来の妊娠に備える支援として「TOKYOプレコンゼミ」が用意されており、条件を満たすと検査費用の一部が助成されます。

また、妊娠を希望して一定期間妊娠に至らないなど、不妊が疑われる状況で医師が必要と判断して行う検査は、「不妊検査」として不妊検査等助成事業の対象となる可能性があります。助成の可否は、検査内容が同じかどうかではなく、どの目的で、どの制度に沿って実施されたかでわかれる点がポイントになります。

クリニックは検査内容・通いやすさ・相談体制で選ぶ

東京都でブライダルチェックを受けるクリニックを選ぶ際は、次の3点で整理すると比較しやすくなります。

  • 検査内容:自分の目的(現在の状態のチェック・妊活を見据えた検査・男性も受けられるなど)に合っているか
  • 通いやすさ:結果説明や再検査、その後の通院などを想定し、無理なく通えるか
  • 相談体制:結果についての診断・説明を受けられて、必要に応じて治療や追加検査に進める体制があるか

ブライダルチェックとは

ブライダルチェックとは、将来の妊娠・出産に備えて、現在の体の状態や妊娠に影響する要因を確認する検査です。

結婚前に限らず、未婚・既婚やパートナーの有無を問わず受けることができ、妊活を始める前に自分の状態を把握したい方にも利用されています。「ブライダル(結婚)」という名称ですが、実際には「将来の妊娠に備えた健康チェック」という意味合いで捉えるとわかりやすいでしょう。

ブライダルチェック・プレコンセプションケア・不妊検査の違い

妊娠に関連する取り組みには、「プレコンセプションケア」「ブライダルチェック」「不妊検査」があり、それぞれ目的と位置づけが異なります。東京都の助成制度を理解するうえでも、3つの違いを確認しましょう。

プレコンセプションケア

プレコンセプションケアは、将来の妊娠を見据えて、女性やカップルが自分たちの健康について「知り、考え、行動する」ための包括的な考え方です。検査を受けて体の状態を知ることに加え、妊娠の仕組みを学ぶ、ライフプランを考える、生活習慣を見直すといった取り組み全体を含みます。

東京都が実施する「TOKYOプレコンゼミ」

プレコンセプションケアを支援する制度の一つで、講座の受講と条件を満たした場合に、ヘルスチェック検査への助成が受けられます。一般的なブライダルチェックの代替ではなく、知識を得たうえで将来に備えるための支援制度です。

ブライダルチェック

プレコンセプションケアの中で「体の状態を知る」ことを目的とした検査です。結婚前後や妊娠を考え始めた段階で受けられ、原則として自由診療となります。

一方、不妊検査は、妊娠を希望して一定期間妊娠に至らない場合に、医師が原因を特定・診断するために行う医学的検査で、条件を満たせば助成の対象となります。

ブライダルチェックを受けるクリニックの選び方

東京都内には、ブライダルチェックを提供している医療機関が多数あり、クリニックによって、検査内容や費用、サポート体制はさまざまです。

何を重視するかは状況や目的によって異なるため一概には言えませんが、クリニック選びで確認しておきたい点を紹介します。

助成金制度の登録医療機関か

東京都の助成制度の利用を検討している場合は、制度ごとに定められた条件を満たす医療機関かどうかを事前に確認しておくことが重要です。たとえばTOKYOプレコンゼミでは登録医療機関での受診が前提となり、不妊検査等助成事業では原則として保険医療機関での受診が求められます。

助成を視野に入れる場合は、「どの制度を使う可能性があるか」を先に整理し、その制度の要件に合う医療機関を候補に入れるとスムーズです。

検査項目が目的に合っているか

ブライダルチェックの検査項目は一律に決まっておらず、医療機関によって内容や組み合わせが異なります。感染症やホルモン検査など基本的な検査が中心の施設もあれば、AMH検査など妊孕性の評価を含めたプランが用意されている施設もあります。

「まずは基本項目を確認したい」「妊活を見据えて詳しく調べたい」「男女ペアで受けたい」など目的を先に決め、必要な検査が含まれているかを確認しましょう。

通いやすい場所にあるか

ブライダルチェックは、検査当日で完結しないケースも少なくありません。結果説明が後日になることが多く、複数回の通院が必要になることを想定し、自宅や職場からのアクセスがよいか、診療時間が自分のスケジュールに合っているかも確認するとよいでしょう。

検査後に相談できる体制があるか

ブライダルチェックは受けて終わりではなく、結果を今後のライフプランに生かすことが目的です。結果を踏まえて「いつから妊活を始めるか」「追加検査が必要か」「治療を検討すべきか」といった相談ができる体制があると、次の行動につなげやすくなります。

男性の検査を重視する場合は、男性不妊に対応した泌尿器科、または生殖医療に詳しい医師がいる施設なども候補に入れておくと安心です。

ブライダルチェックの検査項目

ブライダルチェックでは、複数の検査を組み合わせて妊娠・出産に影響する体の状態を確認します。

検査内容は医療機関によって異なるので、詳しい検査内容は受診予定の医療機関に確認してください。

女性の主な検査項目

女性のブライダルチェックでは、子宮や卵巣の状態、ホルモンバランス、感染症の有無などを調べます。

<女性の主な検査項目>

検査名 検査内容 目的
ホルモン検査 妊娠に関わる各種ホルモンの数値を確認
<主な測定項目>
エストロゲン(E2)
卵胞刺激ホルモン(FSH)
黄体化ホルモン(LH)
プロラクチン(PRL)
甲状腺ホルモン(TSH・FT4・FT3) など
卵巣の働き、排卵の状態、ホルモンバランスの異常を評価する
経腟超音波検査 子宮・卵巣の形や状態、卵胞の数を画像で確認 子宮筋腫や卵巣嚢腫などの有無を調べる
感染症検査 感染症の有無を確認
<主な検査項目>
クラミジア
淋菌
梅毒
HIV
B型肝炎、C型肝炎 など
妊娠・出産に影響を与える可能性があるため、感染症の有無を調べる
AMH検査 卵巣内で成長準備に入っている卵子がどの程度あるかを調べる
(※卵子の数の目安はわかるが、質は評価できない)
早発卵巣不全(POI)や多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の可能性を確認する
主な要件 ゼミの受講を完了し、検査のことを正しく理解すること
登録医療機関で、対象の検査および検査結果に基づく助言・相談を受けること
検査を受ける初診の日に対象者の年齢が18歳以上40歳未満であること
都が実施するアンケートに回答すること など

なお、検査項目によっては月経周期に合わせておこなう場合もあるため、適切な検査タイミングについて予約時に確認しておきましょう。

男性の主な検査項目

男性のブライダルチェックでは、精子の状態や感染症の有無などを調べます。

<男性の主な検査項目>

検査名 検査内容 目的
精液検査 精液の状態を検査
<主な測定項目>
精液量
総精子数
精子濃度
総運動率
正常精子形態率
数や動き、形など、精子の状態に異常がないか調べる
ホルモン検査 妊娠に関わる各種ホルモンの数値を確認
<主な測定項目>
テストステロン
FSH、LHなど
脳(下垂体)の機能や精巣の機能に異常がないかを調べる
感染症検査 感染症の有無を確認
<主な検査項目>
クラミジア
淋菌
梅毒
HIV
B型肝炎、C型肝炎 など
パートナーへの感染リスクがあるため、女性と同様に男性も検査する

男性のブライダルチェックの内容について、詳しくは以下の記事でも解説しています。

ブライダルチェックにかかる費用の目安

ブライダルチェックは原則として自費診療となり、費用は医療機関や検査項目の内容によって異なります。東京都内のクリニックでも、検査の組み合わせや対象(女性・男性・男女ペア)によって、負担の考え方はさまざまです。

なお、施設によっては、初診料・再診料や結果説明にかかる費用が別途必要になる場合があります。

また、検査項目をあらかじめ組み合わせたプラン形式のほか、必要な検査を個別に選択できる施設もあります。受診前に、検査項目と費用の内訳を確認しておくと安心です。

東京都のブライダルチェックに関する助成金制度について

東京都では、ブライダルチェックそのものを対象とした助成制度はありませんが、目的や状況によっては関連する助成制度を利用できる場合があります。

代表的な制度は次の2つです。

  • 不妊検査等助成事業:不妊検査として実施される検査が対象
  • TOKYOプレコンゼミ:将来の妊娠に備える目的の支援制度

不妊検査等助成事業

不妊検査等助成事業は、妊娠を希望しているにもかかわらず一定期間妊娠に至らない場合に、医師が不妊を疑って実施した検査や一般不妊治療を対象とする助成制度です。

不妊検査等助成事業の主な内容
助成金額 上限50,000
助成回数 夫婦1組につき1回限り
助成の対象 不妊検査や一般不妊治療にかかる費用
対象者 法律上の婚姻関係にある夫婦、または事実婚関係にある夫婦
主な要件 夫婦いずれかが東京都内に住民登録していること
検査開始時に妻の年齢が40歳未満であること
夫婦ともに検査を受けること など

なお、将来の妊娠に備えるブライダルチェック目的で受けた検査は対象になりません。

制度の詳細や最新情報は、東京都福祉局の公式ホームページを確認してください。

あわせて、以下の記事でも制度の考え方をわかりやすく解説しています。

TOKYOプレコンゼミ

TOKYOプレコンゼミは、将来の妊娠や出産に備えたプレコンセプションケアを支援する東京都の事業です。

ブライダルチェックそのものへの助成ではなく、講座の受講を通じて正しい知識を得たうえで、条件を満たした場合にヘルスチェック検査費用の一部が助成される制度です。

TOKYOプレコンゼミの主な内容
助成金額 上限30,000
助成回数 1人につき1回限り
助成の対象 対象となる検査にかかる費用
初診料・再診料
助言・相談料
対象者 東京都内に住民登録のある18〜39歳の男女
主な要件 ゼミの受講を完了し、検査のことを正しく理解すること
登録医療機関で、対象の検査および検査結果に基づく助言・相談を受けること
検査を受ける初診の日に対象者の年齢が18歳以上40歳未満であること
都が実施するアンケートに回答すること など

TOKYOプレコンゼミの詳細な要件については、以下の記事と東京都福祉局の公式ホームページをご覧ください。

検査で異常が見つかった場合の対応

ブライダルチェックで異常が見つかった場合の対応は、検査結果によって異なります。

子宮内膜症や多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などの婦人科疾患が見つかった場合は、まずその治療をおこなうことになります。妊娠を希望している場合は、状態に応じて不妊治療を並行して進めることも可能です。

男性側の検査で異常が見つかった場合は、泌尿器科で精密検査を受け、原因の確認や必要な対応を行います。明らかな治療が不要な場合でも、食事・運動・睡眠などの生活習慣を見直すことで、将来の妊娠に向けた体づくりにつなげることが大切です。

ブライダルチェックを受ける際のよくある質問

東京都でブライダルチェックを受ける際に、多くの人が抱く疑問を紹介します。

Q:ブライダルチェックと不妊検査、どちらを受けるべきですか?

すぐに妊娠を希望しているかどうかで判断します。

・ブライダルチェックを選ぶ場合:

  • 将来的に妊娠を考えているが、現時点では妊活を開始していない
  • 結婚前に体の状態を確認しておきたい
  • パートナーと将来について話し合う材料がほしい

・不妊検査を受ける場合:

  • 妊娠を希望して1年以上妊娠していない(女性が35歳以上の場合は6ヶ月)
  • 不妊の原因を調べて治療につなげたい

迷う場合は、医療機関に相談すれば、状況に応じた検査を提案してもらえます。

Q:ブライダルチェックは男性も受けるべきですか?

将来妊娠を希望する場合、男女でブライダルチェックを受けることが大切です。

WHO(世界保健機関)の調査では、不妊の約半数は男性側の要因が関わっていると報告されています。

精液の異常は自覚症状がないことが多く、精液検査ではじめて判明するケースも少なくありません。男性のブライダルチェックは、男性不妊のリスクを早期に把握し、生活習慣の見直しや必要な対応につなげるための機会といえます。

パートナーと将来について考え始めた段階で、男女ともに体の状態を確認しておくことが重要です。

Q:ブライダルチェックは男女ペアで受けられますか?

ブライダルチェックは、男女ペアで受けられる医療機関もあります。不妊専門クリニックでは男性・女性どちらの検査にも対応し、カップルで受けられる体制が整っている施設も多くあります。

一般的な婦人科でも男性の検査に対応している場合がありますが、検査項目や対応範囲は施設によって異なるため、事前に確認することが望ましいでしょう。

院長からのメッセージ

「ブライダルチェックはいつ受けるべきですか?」——この質問に対する私の答えは、「気になったときが、そのタイミング」です。

将来の妊娠を少しでも意識し始めたら、それが検査を受けるタイミングです。結婚前でも、妊活開始前でも、パートナーと将来について話し始めた段階でも構いません。「まだ早いかも」と迷っている時間があるなら、まずは自分の体の状態を知ることから始めてみませんか。

東京都には、状況に応じて利用できる助成制度もあります。ただし、助成金の有無にこだわりすぎる必要はありません。大切なのは、「今、自分たちに必要な検査を受ける」という視点です。早めに現在の状態を知っておくことで、将来のライフプランの選択肢が広がります。

検査を受けることは、将来への不安を減らし、お二人が前向きに未来を考えるための第一歩です。わからないことがあれば、遠慮なく医療機関で相談してください。あなたの将来を一緒に考えてくれる医師が必ずいます。

参考文献

こども家庭庁. 不妊症・不育症ポータルサイト.
長野県妊活支援サイト. 妊活ながのウェブサイト. 

東京都福祉局. プレコンセプションケア.
東京都福祉局ウェブサイト 
東京都福祉局. 不妊検査等助成事業の概要.
東京都福祉局ウェブサイト 
日本産科婦人科学会ウェブサイト.
 
一般社団法人日本生殖医学ウェブサイト

関連記事

関連記事がありません
コラム一覧へ