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最終更新日:
2026-01-13

ブライダルチェックは男女ペアで受けることで、妊娠に向けたリスクの早期発見につながります。

本記事では、男女ペアでブライダルチェックを受ける際に知っておきたい主な検査内容や保険適用の有無、受けるタイミングなどを詳しく解説します。

ブライダルチェックを男女ペアで受けるべき理由

ブライダルチェックは、男女ペアで受けることに大きな意味があります。

WHO(世界保健機関)の報告によると不妊の約50%に男性側の要因が関わっており、妊娠に結びつかない原因が女性だけの問題ではないとわかります。

将来的に妊娠や出産を望むのであれば、女性だけでなく男性も一緒に検査を受け、2人の体の状態を把握しておくことが重要です。まずは、不妊症に対応するクリニックに相談し、カップルでの検査を検討しましょう。

ブライダルチェックを男女ペアで受けるメリット

ブライダルチェックを男女ペアで受ける主なメリットを紹介します。

  • 妊娠に向けたリスクを早期に把握できる
  • ライフプラン(仕事・お金など)を立てやすくなる
  • 2人の認識をあわせて妊活を進めていけるようになる

妊娠に向けたリスクを早期に把握できる

男女ペアでブライダルチェックを受けることで、妊娠に関わる健康リスクの有無を早い段階で確認できます。卵管の通り具合やホルモンバランス、精液の状態、性感染症など、症状がなくても検査ではじめて異常が見つかることは珍しくありません。

早期にリスクを把握できれば、必要な治療や対策を考える時間が十分に確保でき、将来の妊娠に向けた準備がしやすくなるでしょう。

ライフプラン(仕事・お金など)を立てやすくなる

検査結果をもとに将来の計画を具体的に考えられるようになることもメリットのひとつです。

ブライダルチェックを受けることで、自然な妊娠を目指すのか、さらに詳しい検査を受けるのか、不妊治療をはじめるべきかなど、カップルで話し合う材料が得られます。

仕事との両立や費用の準備について検査結果が具体的な指標となり、早い段階で計画を立てる助けになるでしょう。

2人で同じ認識を持って妊活に取り組める

カップルで同時に検査を受けることで、結果を共有しながら、今後の妊活の進め方について話し合うきっかけが生まれます。妊娠に影響する要因が見つかった場合でも、どちらか一方に負担を集中させるのではなく、2人で状況を理解し、支え合いながら対策を検討できるでしょう。

また、検査を通じて生活習慣の見直しや妊娠に向けた準備への意識が高まれば、日常生活の中でも協力しながら妊活に取り組みやすくなります。

ブライダルチェックで受けられる主な検査:女性

女性のブライダルチェックで受けられる主な検査には、以下のようなものがあります。

  • ホルモン検査
  • 感染症検査
  • 超音波検査(経腟超音波検査)
  • AMH(抗ミュラー管ホルモン)検査

ホルモン検査

ホルモン検査(血液検査)は、妊娠に関わる各種ホルモンの数値を確認する検査です。

検査では、エストロゲン(E2)や卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体化ホルモン(LH)などを測定します。また、必要に応じて、プロラクチン(PRL)や甲状腺ホルモン(TSH・FT4・FT3)も確認します。

測定結果から卵巣の働きや排卵の状態、ホルモンバランスの異常などが評価でき、妊娠に影響する要因を把握する手がかりとなります。

女性のホルモン検査について詳しくは以下の記事をご覧ください。

超音波検査(経腟超音波検査)

超音波検査は、子宮や卵巣の状態を画像で確認する検査です。

子宮筋腫や卵巣嚢腫、子宮内膜ポリープなどの有無、卵巣の大きさや卵胞の数などを確認できます。痛みはほとんどなく、短時間で終わる検査です。

感染症検査

性感染症の有無を調べる検査です。

クラミジア、淋菌、梅毒、HIV、B型肝炎、C型肝炎などの感染症を検査します。これらの感染症は妊娠や出産に影響を与える可能性があるため、事前に確認しておくことが大切です。

クラミジア、淋菌は採血か腟分泌物で、梅毒、HIV、B型肝炎、C型肝炎は採血で血液検査で調べられます。症状がなくても感染していることがあるため、検査で初めて判明することも少なくありません。

AMH(抗ミュラー管ホルモン)検査

AMH検査(血液検査)は、卵巣内で成長準備に入っている卵子がどの程度あるかを調べるための検査です。

AMHは発育途中の卵胞から分泌されるホルモンで、その値から卵巣に残る卵子の数の目安を推測できます。AMHが低い場合は卵巣予備能の低下(卵巣に残る卵子が少ない状態)を示し、将来的に早期閉経のリスクがあります。逆に、高すぎる場合は月経不順・排卵障害をきたす多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の可能性があります。

なお、AMH検査でわかるのは卵子の数の目安であり、卵子の質については評価できません。

ブライダルチェックで受けられる主な検査:男性

男性のブライダルチェックで受けられる主な検査には、以下のようなものがあります。

  • 精液検査
  • ホルモン検査
  • 感染症検査

精液検査

精液検査では、精液量や精子濃度、精子の運動率、形態などを測定します。

検査の結果は体調やストレスなどで変わりやすいため、1回だけでなく複数回の検査が実施される場合があります。初回の結果が良くなくても、再検査で正常範囲になる方も少なくありません。

なお、WHO(世界保健機関)は、精液検査前に2〜7日程度の禁欲を推奨しています。WHOが示す基準値は、自然妊娠に至った男性の下位2.5パーセンタイルに基づく統計的な目安であり、基準値を下回ると妊娠できないという絶対的な基準ではありません。

精液検査や男性不妊について、詳しくはこちらの記事もご覧ください。

ホルモン検査

男性のホルモン検査では、精子をつくる機能に関わるテストステロンやFSH、LHなどのホルモン値を測定します。FSHやLHが低値の場合、視床下部〜下垂体の機能低下(低ゴナドトロピン性性腺機能低下症など)が、高値の場合は精巣の機能障害が疑われます。

これらの数値は単独で判断されるものではなく、精液検査の結果や診察所見とあわせて総合的に評価されます。

感染症検査

女性と同様に性感染症の有無を調べる検査です。

クラミジア、淋菌、梅毒、HIV、B型肝炎、C型肝炎などの感染症を検査します。これらの感染症は妊娠や出産に影響を与える可能性があり、パートナーへの感染リスクもあるため、事前に確認しておくことが大切です。

男性の場合、クラミジアや淋菌は主に尿検査で、梅毒やHIV、肝炎ウイルスは血液検査で調べられます。症状がなくても感染していることがあるため、検査で初めて判明することも少なくありません。

ブライダルチェックの保険適用の有無

ブライダルチェックは、将来の妊娠を見据えた健康確認(検診目的)として行うため、原則として自費診療となり保険は適用されません。

ただし、不妊の原因を調べる目的で医師が必要と判断した検査や、感染症などの症状がある場合の診断目的の検査については、保険診療になることもあります。

ブライダルチェックにかかる費用は、医療機関によって異なるため、事前に費用の目安を確認しておくとよいでしょう。

ブライダルチェックで活用できる助成金

結婚を控えた方に向けて、地方自治体が健康診断や不妊に関する検査への助成制度を用意している場合があります。

東京都では、結婚の有無にかかわらず将来の妊娠に備えることを目的とした支援として、「TOKYOプレコンゼミ」を通じて、検査費用の一部助成が行われています。

助成を受けられる条件や金額は地域ごとに設定が異なるため、利用を検討される方は、住んでいる市区町村が公開している情報を確認しましょう。

ブライダルチェックに関する助成金について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

ブライダルチェックを受けるタイミング

ブライダルチェックを受ける時期に、厳密な決まりはありません。結婚予定の有無に関わらず、妊娠や出産について考えはじめたタイミングで、誰でも受けることが可能です。

将来の妊娠・出産を考えはじめたときや、妊活をスタートする前などに男女ペアで受診すれば、将来の家族計画に向けた準備をスムーズに進められるでしょう。

ブライダルチェックを受けられる場所

ブライダルチェックは、産婦人科や不妊治療クリニック、泌尿器科(男性不妊専門外来含む)で受けられます。

なお、対応可能な検査内容や、男女同時受診の可否は医療機関によって異なります。検査項目や費用も医療機関によって異なるため、事前に確認してから受診するとよいでしょう。

男女ペアのブライダルチェックに関するよくある質問

男女ペアでブライダルチェックを受ける際によくある質問について解説します。

ブライダルチェックは結婚の予定が無くても受けられますか?

ブライダルチェックは、結婚の有無に関わらず受けることが可能です。将来的に妊娠や出産を考えている方は、一度検査を検討してみるとよいでしょう。

ブライダルチェックと不妊検査の違いは?

ブライダルチェックは、将来の妊娠に備えて現在の体の状態や性感染症の有無などを確認するための検査で、予防や健康確認が目的です。

一方、不妊検査は妊娠を希望しているにもかかわらず一定期間妊娠しない場合に受ける検査で、不妊の原因を特定し適切な治療につなげることを目的としています。

ブライダルチェックと不妊検査では目的は異なりますが、検査内容には共通する項目も多くあります。

院長からのメッセージ

「ブライダルチェックは女性だけ受ければいいですか?」というご質問をよくいただきます。

実は、不妊の原因の約半数には男性要因が関わっていることが分かっています。将来の妊娠を考えているのであれば、女性だけでなく、ぜひパートナーと一緒に検査を受けていただきたいと思います。

お二人で検査を受けることには、大きく3つの意味があります。

一つ目は、妊娠に関わるリスクを早めに把握できることです。症状がなくても、検査を受けて初めて分かることは少なくありません。もし何か見つかったとしても、早く分かれば、お二人でゆっくり考え、必要な対策を立てる時間が十分にあります。

二つ目は、これからのライフプランを具体的に描きやすくなることです。仕事のこと、お金のこと、タイミングのこと。検査結果があることで、お二人の将来について、より現実的に、より前向きに考えられるようになります。

そして三つ目は、お二人が同じスタートラインに立てることです。検査結果を一緒に見て、一緒に話し合うことで、どちらか一方だけが悩んだり、抱え込んだりすることなく、お二人で支え合いながら歩んでいくことができます。

将来、お二人の赤ちゃんを迎えるための第一歩として、まずは一緒に検査を受けてみませんか。お二人らしい家族計画を、私たちと一緒に考えていきましょう。

参考文献

こども家庭庁. 男性不妊について
こども家庭庁. 検査・治療について.
長野県. 妊活検診(不妊検査)について. 妊活ながの.
東京都福祉局. 不妊の検査を受ける. 東京都妊活課.
日本産科婦人科学会. 不妊症.
日本産婦人科医会. 男性不妊症の検査・診断.
日本生殖医学会. 不妊症の検査はどこで、どんなことをするのですか?
日本産婦人科医会. タイミング.
日進市. 不妊治療前ペア検査費用助成事業(妊活応援事業).
神戸市. 不妊を心配する方へのペア検査(不妊ペア検査)

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