最終更新日:
2026-01-22

結婚や妊活を意識しはじめたとき、「ブライダルチェックは受けたほ結婚や妊活を意識しはじめたとき、「ブライダルチェックは受けたほうがいいのか」「健康なら必要ないのでは?」と迷う方は少なくありません。

ブライダルチェックはすべての人に必須の検査ではなく、必要性は個々の状況によって異なります。

この記事では、受けるかどうかの判断ポイントや、不妊検査との違いを整理します。

ブライダルチェックは必要ない?悩んだときの判断ポイント

ブライダルチェックが必要かどうか迷ったとき、以下3つは判断するポイントとなります。

  • 将来妊娠・出産を希望しているか
  • 月経異常など気になる症状があるか
  • 年齢による影響を考える必要があるか

自分の状況に当てはまるか、照らし合わせてみてください。

将来妊娠・出産を希望しているか

将来妊娠・出産を希望している場合は、検査を受けておくと安心です。性感染症や甲状腺機能異常など、妊娠に影響する病気の中には自覚症状がほとんどないものもあります。検査で早めに見つかれば、適切な治療や対策につなげることができます。

月経異常など気になる症状があるか

月経不順や強い月経痛などの症状がある場合、その背景に妊娠に影響する異常が隠れていることがあります。妊娠の予定に関わらず、一度検査や診察を受けておくと安心です。

年齢による影響を考える必要があるか

年齢は、検査を検討するひとつの目安になります。一般に加齢とともに妊孕性(妊娠のしやすさ)は低下する傾向があり、特に35歳以降はその変化が顕著になります。妊娠を視野に入れている場合、早めに体の状態を確認しておくことで、今後のライフプランを具体的に考えやすくなります。

ブライダルチェックを急いで受ける必要がないケース

以下のような場合は、ブライダルチェックを今すぐ受ける必要性は高くないと考えられます。

  • 20代前半で、まだ妊娠を身近に感じていない場合

妊娠自体が身近なものでなく、数年以内に妊娠を考えていない場合は、今すぐ検査を受ける必要性は高くありません。ただし、妊娠の仕組みや検査の目的について理解を深めておくことで、将来必要なタイミングで適切に判断できるようになります。

  • 定期的に婦人科検診を受けている

がん検診などの婦人科検診を定期的に受けている場合、子宮や卵巣の状態など、基本的な確認はできていることがあります。ただし、がん検診のみを受けている場合、超音波検査などはされておらず、子宮や卵巣の状態は確認されていないことも少なくありません。

また、婦人科検診は主に病気の早期発見を目的としており、妊娠に関わる機能面(ホルモンバランス、卵巣予備能など)の評価は含まれていないことが一般的です。妊娠を具体的に考えている場合は、検診に含まれない風疹抗体検査や性感染症検査、ホルモン検査などを追加で受ける選択肢もあります。

  • 将来的に妊娠を希望しない

ブライダルチェックは、妊娠・出産に関わる検査が中心のため、将来的に妊娠を希望しない場合は優先度は高くありません。

現時点では妊娠への関心が薄い場合でも、検査の目的や内容を把握しておくだけでも備えとなります。ライフステージや意識の変化に応じ、必要なタイミングで選択できるよう理解を深めておくことが大切です。

ブライダルチェックとは

ブライダルチェックとは、将来の妊娠・出産に備えて体の状態を確認することを目的とした検査です。結婚の予定やパートナーの有無に関わらず、妊娠を意識しはじめたタイミングで受けることができます。

不妊検査や婦人科検診など、他の検査との違いを以下で整理します。

ブライダルチェック 不妊検査 一般婦人科検診
目的 将来の妊娠・出産に備えて体の状態を確認する 妊娠しにくい原因を特定し適切な治療につなげる 女性特有の病気を早期発見する
主な対象者 将来の妊娠に備えたいすべての人 一定期間妊活したが妊娠しないカップル 主に20歳以上の女性
検査内容 ホルモン検査、超音波検査、感染症検査、精液検査など 左記に加え、卵管疎通性検査、子宮鏡検査など 子宮頸がん検査、乳がん検査など
費用 原則自由診療 自治体によって助成対象となる場合あり 公費負担で受けられる場合もある

プレコンセプションケアとブライダルチェックの関係

「プレコンセプションケア」とは、将来の妊娠を見据えて、自分の健康について「知り、考え、行動する」ための取り組みを指します。

 検査によって体の状態を確認するだけでなく、妊娠の仕組みを理解することや、ライフプランを考えること、生活習慣を整えることなども含まれます。

このプレコンセプションケアの中で、ブライダルチェックは「体の状態を知る」ことを目的とした検査に位置づけられます。不調が出てから受けるものではなく、将来に備えて今の状態を把握するための、自主的・予防的な検査である点が特徴です。

不妊検査や一般婦人科検診との違い

女性に関連する検査には、不妊検査や一般婦人科検診もありますが、ブライダルチェックとは目的や受けるタイミングが異なります。

不妊検査は、妊娠を希望して一定期間が経過しても妊娠に至らない場合に、その原因を調べ、治療につなげるための検査です。一方、婦人科検診は、加齢とともに増えやすい女性特有の病気を早期に見つけることを目的としており、定期的に受けることが勧められています。

そのため、婦人科検診を1〜2年に1回受けつつ、妊娠を意識しはじめた段階でブライダルチェックを検討し、妊活しても妊娠に至らない場合は不妊検査を受けるなど、状況に応じて選択するとよいでしょう。

ブライダルチェックを受けるメリット

将来的に妊娠を考えている場合、現在の健康状態を把握しておくことは、今後の選択を考えるうえで役立ちます。ここでは、ブライダルチェックを受ける主なメリットを紹介します。

妊娠・出産に向けたリスクを把握し対策できる

ブライダルチェックを受けることで、妊娠や出産に影響するリスクを事前に確認できます。

性感染症(クラミジアなど)や甲状腺機能異常は、自覚症状がほとんどないまま進行することが多く、検査ではじめて気づくケースも少なくありません。また、月経異常の背景に、子宮筋腫や子宮内膜症、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などの病気が関わっていることもあります。これらは放置すると妊娠しにくくなる要因となることもあるため、早期に発見し適切に対処することが重要です。

こうしたリスクを早期に把握できれば、生活習慣の見直しや必要な治療につなげることが可能です。

将来のライフプランを立てやすくなる

検査結果は、妊娠のタイミングや今後のライフプランを考える際のひとつの指標になります。

「早めに妊活を始める」「今は仕事を優先し、数年後を目安に考える」など、自分たちに合った選択を具体的に検討しやすくなります。

また、ブライダルチェックをパートナーと一緒に受けることで、お互いの健康状態を共有し、将来について話し合うきっかけにもなります。不妊の原因は女性側だけでなく男性側にある場合も多いため、2人で状況を理解し、認識をそろえておくことは大切です。

ブライダルチェックで何がわかる?主な検査項目

ブライダルチェックでは、妊娠に関わる複数の検査を通して、「妊娠を妨げる要因がないか」「安全に妊娠・出産を迎えられる状態か」を確認します。

女性では、以下のような検査が行われます:

  • ホルモン検査:排卵機能や甲状腺機能を確認
  • 超音波検査:子宮や卵巣の形態を確認
  • AMH検査:卵巣予備能(卵巣に残っている卵子の数の目安)を評価
  • 感染症検査:風疹抗体、性感染症(クラミジアなど)の有無を確認

男性の場合は精液検査を行い、精子の数や運動率、形態に問題がないかを確認します。

検査結果をもとに、医師が妊孕性を総合的に評価し、今後の妊活のタイミングや生活面での注意点などについてアドバイスを受けることができます。病気の有無を知るだけでなく、今後に向けた具体的な判断材料を得られる点が特徴です。

なお、検査内容や対応範囲は医療機関によって異なります。ブライダルチェックを受ける際は、どの検査が含まれているかを事前に確認しておきましょう。

ブライダルチェックの費用は保険適用?

ブライダルチェックは、妊娠前の健康状態を確認することを目的とした予防的な検査であるため、原則として保険は適用されず、自費診療となります。

ただし、検査の結果、異常が見つかった場合や、医師が医学的に必要と判断した追加検査・治療については、保険が適用されることがあります。

自治体の助成金制度について

将来の妊娠に備えた検査に対して、自治体によっては費用の一部を助成する制度を設けている場合があります。

たとえば東京都では、ブライダルチェックそのものを対象とした助成制度はありませんが、目的や状況によっては以下の制度を利用できる可能性があります。

助成の対象となるかどうかは、検査内容や受診の目的、自治体ごとの要件によって異なります。検査を受ける前に、住んでいる自治体に確認しておきましょう。

助成制度の詳しい考え方については、以下の記事で解説しています。

また、TOKYOプレコンゼミの詳細については、以下の記事をご覧ください。

ブライダルチェックの必要性に関してよくある質問

ブライダルチェックは本当に必要ないのかと迷う方から、よく寄せられる質問に答えます。

ブライダルチェックは健康なら受けなくてよい?

健康であっても、ブライダルチェックが必ず不要とは言い切れません。妊娠に影響する病気の中には、自覚症状がほとんどないまま進行するものもあるためです。

たとえば、甲状腺機能亢進症(甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気)は、20〜30代の女性に多い病気であり2)、不妊や流産のリスクにも関連します。動悸や体重減少などの症状が特徴的ですが、病気とは思わず見過ごしてしまう方も少なくありません。

また、クラミジアなどの性感染症も症状が出にくく、気づかないうちに進行し不妊の原因になっていることがあります。検査を受けて異常が見つかることもあるため、将来妊娠を考えている方は検査をしておくと安心です。

特に以下に当てはまる場合は、検査を検討する価値があります:

  • 将来1〜2年以内に妊娠を考えている
  • 35歳以上である
  • 月経不順や月経痛がある
  • 性感染症のリスクがある(パートナーが変わった、など)

一方、20代前半〜中盤で妊娠の予定が数年先であれば、今すぐ受ける必要性は高くありません。ただし、妊娠を意識し始めたタイミングで検討することをお勧めします。

ブライダルチェックは健康診断で代用できる?

一般的な健康診断で、ブライダルチェックを代用することはできません。健康診断は生活習慣病など全身の健康状態を確認することが目的で、妊娠・出産に特化した検査項目は含まれていないためです。

ブライダルチェックでは、妊娠に関わる項目を専門医が総合的に評価し、今後に向けたアドバイスを受けられる点が特徴です。

どういうときにブライダルチェックを受けるべき?

以下のいずれかに当てはまる場合、ブライダルチェックを検討する価値があります。

✓ 1〜2年以内に妊娠を考えている
✓ 35歳以上である
✓ 月経不順、強い月経痛などの症状がある
✓ 性感染症のリスクがある
✓ 甲状腺疾患の家族歴がある
✓ パートナーと妊娠について具体的に話し合い始めた

院長からのメッセージ

「ブライダルチェックは本当に必要なの?」「健康なら受けなくてもいいのでは?」——こうした疑問を持つ方は少なくありません。病院に行くのも時間もお金もかかりますから、受けなくて良いものなら受けたくないですよね。

私の答えは、「全員が受けるべき検査というわけではありません。ただ、将来の妊娠を考えている方にとっては、受けておく意味のある検査です」というものです。特に、1〜2年以内に妊娠を考えている方や、35歳以上の方、月経不順など気になる症状がある方は、今の体の状態を確認しておくことで、安心して妊活に臨めます。

一方、20代前半〜中盤で妊娠の予定が数年先であれば、今すぐ受ける必要性は高くありません。ただし、妊娠に影響する病気の中には、自覚症状がほとんどないまま進行するものもあります。性感染症や甲状腺機能異常などは、検査ではじめて気づくケースも珍しくありません。

将来の妊娠を視野に入れているのであれば、「受けるべきか」と迷ったときが、一度検討してみるタイミングです。わからないことがあれば、遠慮なく医療機関でご相談ください。

参考文献

1)公益社団法人 日本産科婦人科学会「不妊症」

2)甲状腺の病気.働く女性の心とからだの応援サイト.

東京都福祉局. プレコンセプションケア. 東京都福祉局ウェブサイト 
東京都福祉局. 不妊検査等助成事業の概要.
東京都福祉局ウェブサイト 
こども家庭庁. 不妊症・不育症ポータルサイト.

長野県妊活支援サイト. 妊活ながのウェブサイト. 

日本産科婦人科学会ウェブサイト.
 
一般社団法人日本生殖医学ウェブサイト

働く女性の心とからだの応援サイト.

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